J’aime le théâtre♡

観劇日記。

『スリル・ミー』10/21 松也×廣瀬

追いかけて高崎まで来た。大千穐楽。チケットの御縁に感謝🙏


わっ冒頭からもう、私の一人語りではない!東京で最初に観た時と全然違う!

ゲームだったんです、で微笑むだけじゃなくウフフみたいな声出して笑っていることに驚いたけど、ここからも今日の私は嘘つきな語り手ではない、二人の日々をちゃんと見つめつつお話ししてくれる気がした。

 

私の語りの中から藻搔きながら這い出て来たような、本当は私のことを求めてやまなかった生身の彼が!見える!

「僕はわかってる」で君が必要だと言われた時の嬉しそうな顔ったら!(もちろん私には背中を向けてる)

Auf Wiedersehenで触るとこからめっちゃ意図的だったもんね。

「優しい炎」でこんなにも彼の愛撫に気持ちが込もっていると感じたのは初めてだったかもしれない。

 

でも19歳当時の私にはそれは分からなくて。

親父とか弟とかいいから僕を見て!僕が満たしてあげるんだから!もう我慢できないスリルミー!って、自分の欲求で精一杯で。

 

契約書では「永遠」以前に「結ばれる」で反応してたね私。

手に入れたかった。僕のものにしたかった。
(
留置所で「二人でいよう」で初めて顔を上げるのも納得)

 

嗚呼ふたり求め合っていたんだよなぁ

34年の間にそのことにも気づいて、今はわかってる私。苦しい

冒頭で歌ってた「傷痕」というワードも重く効いてくる。

 

やっぱ「計画」歌い終わりの階段でのハグは悲しかったな。彼、わかってもらえない寂しさを抱えてる子どもみたいだった

そうだ、「スリルミー」の時の彼の悲しそうな顔も上手席だったから刺さったよ。

ほんと、二人だから、止まれなかった。

脱ぎ合うとこも"戦い"だったよね。

 

あと、メガネを落としたのはやっぱりわざとじゃないなと思ったよ。
あれ?ってポケットを探る顔を近くで見たし、その時は彼に背中を向けてるから演技ではないと思うんだ。

それをきっかけに、一緒に終身刑になることを思いついた。

 

彼へ向けた松也私の笑顔は今日もいちいち脳裡に焼き付いたよ。
留置所のキス後の微笑みも、君を認めようのニッコニコも凄かった。(その直後の「いや、離れられない」はキリリと言ってたね)

公園での「褒めてくれる?」「あぁよくやった」を聞いた瞬間の笑みはパッと顔が輝いて可愛かった

 

「九十九年」の終盤から泣き始めてたよね私。19歳当時と悲しみや悔恨を抱えた今が綯い交ぜになっていった。
歌い終わりのお顔、とんでもなく綺麗だったなぁ

 

あんなことがなければ今でものとこの泣き崩れはやっぱり深く印象に残る。
ずっとふたりでいたかった。

今なおその執着・所有欲に苛まれているし、しかし悔いてもいる。苦しい…

 

自由!?自由なんてものがあるのか!?っていう顔だったな。

てか、これまで自分が生きてきた世界(彼と私の世界)以外に世界というものがあるのか!?って感じ。

 

溜めに溜めた「待ってたよ」「レイ」で彼の存在を取り戻した私は「さぁいいか」と強く歌って気持ちを持ち直すみたい。

自由にはなってないよ、この私は。自由になんてなることを自ら拒んでいる。


消えてしまった彼を追いかけての取り残されたラストの私は本当に空虚。冷たい白い光の中で、なんだか怖い、般若の能面から魂が抜けたみたいな顔。

 

すごい、ふたりの世界だったね。没入させられたわ。

眩しく熱く、美しくて、だからこそ悲しくて苦しくて。

 

松也くん今日は喉の調子が良くなくて(芝居でごまかしたけど咳?した時もあった)、廣瀬くんがそれを気遣いながら歌う感じだったりするのも愛おしかった。

 

存分に二人でやり合って、こんな変化を遂げたという満足感あるんじゃないかな。

二人芝居、舞台上では相手に頼るしかないわけでしょ。(ピアノ含めた三人でもあるけど)
うん、今日のふたりは「君が必要だ」「お前がいなきゃダメなんだ」な関係だったよすごく!!!

 

https://www.instagram.com/p/Cyp0mjYR_eD/?igshid=MzRlODBiNWFlZA==

うわぁ素敵
お互い #これからもよろしく、って☺️

 

ここまで見届けることができて良かったなぁと、とても幸せな気持ちになった

 

 

10/31追記:

これ決して配信を視てではなく(配信は敢えて視てない)、大千穐楽後に反芻している中でふと思ったんだけど

松也私は、彼の後を追って死んだんじゃないかな、って

刑務所を出たら、自死する自由も得られるんだよ。

ラストの松也私の空虚さ、ひょっとしたらあれは自殺したのかもしれない?うわぁ

意外とこれって今まで思ったことなかったよね(実際のネイサンはずっと生きてたし)

審理委員会で絞首刑になるべきだったと言われたことも効いてくる

「自由」と聴いた時の松也私の反応が成河私ともまた違うなぁと思ってたんだけど、それも、自由って!?え?あ、そういうこと?という感じにも思い返せてくる

そんなこと考えてたら、"死ねなかった"ルキーニとも繋がっちゃってね