J’aime le théâtre♡

観劇日記。

『リア王』3/30 東京前楽

これで観納め。

 

わ、エドマンド冒頭から強いな。

初めての前方席で顔の表情がよく見えたからそういう印象を受けたのかな?今日の塩梅かな?

今までになく、不憫さ可哀想さよりも怒りを強く感じたわ。怒りを原動力として、悪…と言うか利己に走っていく人に見えた。

エドマンドが父に貶められるあの場面、オールバニーはちょっと苦しい顔してるのね。優しいんだ。と言うか、良識ある人。

使用人にも邪険にされてたねエドマンド…(椅子をぶつけられてた)

 

ずっと舞台上に"存在している"。

先日のアフタートークやスペースで、あれ100%エドマンドではないんだねと知れてちょっと救われた気分よ。エドマンドが目を見開いて全てを見てるって酷だなと思ったから。

 

決闘で流した血と共にいろんなものが流れ去り改心に至る…と玲央さんが話してたところも注視した。憑き物が落ちたように可哀想な悲しい顔になって「急いで!(リアとコーディリア殺害を阻止して!)」と言ってた。

 

あ、戯曲では、エドガーが乞食として父グロスターの面倒を見ていた話に胸打たれてエドマンドは改心した、そういう台詞があるね。その後のケントの部分と併せてカットされちゃってる。

やはりカットされている「だが、エドマンドは愛されていた。姉が妹を毒殺したのは俺のため。」という台詞も何だか切ないな。

 

そうだ、白い壁を最初に汚すのはコーディリアの✖︎だったわ。でもねーあの場面の頑なさと言うかあれは愚かとしか思えないんだよなリアもそうだけど。コーディリア「何も…」と言い淀んで俯いちゃうみたいな感じだったら分かるけど、萌歌ちゃんめっちゃ強くパシッと言うもんね。姉たちへの非難の気持ちが強かったんだろうけど。ああいう態度に出てもお父様は理解してくれる筈だと思ってたのが違ったのか。

 

そう言えば道化が、阿呆にはなりたくないけどリアみたいな「なんにもない」のはもっとヤダとか言ってたな。虚ろ、耄碌ってこと?

 

ラスト、オールバニーもハエを捕まえて、蛍光灯が全部パッと点いて幕だったね。

やっと正常な国の状態になったのかな。

 

自分自身や身近な人の老いに直面すること、我々の社会における問題としての"老い"、そういったことを考えてしまうね。