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初日前にプレレクチャーもあった朝カル「『リア王』を楽しむ」枠での観劇、松岡先生と玲央さんのアフタートーク付。大変良かった!
幕開け、諸侯たちが椅子に座って居並ぶ中に立ちすくんでいるようなエドマンドにハエの羽音。
エドマンドが父から貶められるシーンから始まるんだ。
とても緊張してるし、小さくなってる。エドガーはリラックスした感じでジュースとか飲んでるのに。
王と娘たちが登場してからは上手端っこでオドオド居心地悪そうにしてる。みんなに合わせてちょっと遅れて拍手したり。
エドマンドって舞台上にずっと居るけど、もっと虎視眈々としてるかと思ったらそうでもないんだよな。
でもあの眼鏡は"見ている"ことの象徴でもあるだろう。
エドマンド(冒頭、羽をむしる、コーンウォールと同時、の計3回)とコーンウォールが蝿を叩き潰すのね。若者。
そう、ハエを潰して真っ白な壁に最初に汚れを付けるのはエドマンド。
ん?嵐の中這ったり歩いたりしてるのはコーディリア?
あるいは集合体的に"娘"の幻影か?
あの嵐の光景ってリアの頭の中でもあるのかな。
父と兄の様子を見ているエドマンドも悲しかったし、憐れな老人2人を見ているエドマンド・エドガーもやるせなかったな。
老人2人のシーン、松岡先生は全シェイクスピア作品の中で最も感動するとこだって。今回は段田さん浅野さんの関係性も相まって余計に泣けるって。
エドマンド、ずっと目撃し続け獲得し続けたものが、流れる血と共に出ていく。そして改心に至る感覚だって玲央さん。ほぉ!
『お気に召すまま』の時に河合先生から教わったと言うキューピッドの矢と同様に、物理的な身体感覚を想像して心を動かしてるのかな。
シェイクスピアに一貫性はないけどねw(by松岡先生)
『お気に召すまま』の話題には懐かしくてニッコリしちゃったよ☺️
journey
Manzai-style
役者が正面を向いてお客さんに掛ける(という表現を松岡先生も玲央さんも遣ってた)ことが多い。言葉がお客さんに伝わりやすいというメリットになってるらしい。
そう言えば最後オールバニーの口上だと思ったけど戯曲ではそういう書かれ方ではなかった。あ、プレビューから変わって、その時エドガーは捌けずにその場の地べたに座り込んで項垂れてたね。そうだよね、これからこの国を背負って何とかしていかなきゃいけないのはこの2人だもんな。
エドマンドはメタシアター的、デウス・エクス・マキナあるいはそれこそあのハエのような立ち位置だってショーンからヒント貰ったと。
冒頭からあのハエを煩がっているんだけど、そのうち気にならなくなって、あれ?エドマンドが動くことでハエの羽音になってる?って感じだと。ほぉ。
(あのハエの羽音、大詰のあたり…決闘の前かな?で大きくなって戦闘ヘリみたいな音になってたような気がする)
エドマンド、玲央さんはイアーゴーと並ぶ悪役だと言ってた(一般的にそう言われてるのかな?)けど(そして両者の違いは最後に改心するか否か)、玲央さんのエドマンドは全然"悪人"には見えないよ。邪悪さをあまり感じない。むしろ可哀想な子で(それを言ったらイアーゴーもそうかな)。冒頭から予想以上に、怒りよりも哀しみを感じる。そこらへんの加減ももしかして日によって違うのかもだけど。
企みを実行してるというよりも、状況があれよあれよと転がっていつの間にかエドマンドは全てを手にしてる。(爵位も女も)
捌けることなく全てを目撃してるエドマンドは、でも決してストーリーの真ん中ではなくて、舞台奥の方でジッとしてる姿が所詮は蚊帳の外なのかな…とも見えて哀しくて。
全てを目撃させるのってさ、ちょっと酷だよね。ツライじゃん…
エドマンドを演じて、エドガーのことを愛しいと感じたって言ってたよ。そんな愛憎もあるんだからやっぱりツライじゃん…
あ…『教誨師』思い出しちゃった…見ること…
そうそう、グロスターの登場っていつも笑えちゃうのよねって松岡先生。確かにあの口笛吹きながらのとこは笑っちゃうし、最初のシーンでもそう言われればフランス王たちを呼びに行ってる間に国家が崩壊してるw(何が起きたのかリーガンに教えてもらってるw)
リアもグロスターも、自分の子に対して信じられない嫌な言葉を浴びせるクソジジイだよなってとこはどうしても気に留まる。ほんとクソジジイがのさばってんのマジ嫌!って思う。蛍光灯はもうチカチカしてんのよ。老い。それに気付くのはたぶん怖いことなんだと思うけど、認めずのさばる老人にはなりたくないなぁ。