J’aime le théâtre♡

観劇日記。

能 狂言『鬼滅の刃』-継- 12/27

今年の観劇納め。

 

まず冒頭で萬斎さんがイケ散らかしとる!

あら1幕で煉獄さん死んじゃった

前作よりだいぶエンタメに振った感。

 

「人も鬼、鬼も人」って能楽にすることの良さは2幕でやっと出た。もっとそういうとこをじっくり沁みさせて欲しかったな。

福王和幸さんの天元さんカッコよかったけどね。

 

原作の筋をひととおり追いましたねって感じがしちゃったかな正直。

わりと戦闘シーンがメインのような気がしたのがその理由かも。

 

グッズ列とかそれに伴う入場列のゴチャゴチャとか私にとっては煩わしい状況もあったことは否定できない。

いろんな客層がいるこの手の公演は難しいよね各方面に喜ばれるには。

 

この感じだったら歌舞伎でやった方がきっと楽しいよって思った。

そういえば花魁道中とかやってたけど…あれはちょっと???だったな。歌舞伎のパロディっていう感覚なのかも?

 

通常の囃方の皆さんの他に、三味線や箏や尺八に胡弓に歌うのまで担当する方が1人後列にいらして(この方は入退場も別だったからたぶん能楽の人じゃないんだろうな)、けっこう大活躍だったと思う。三味線はやっぱり華やかさや疾走感を添えるし、箏で鳴らす不穏な効果音とか雰囲気あった。

 

裕基くんが頼もしくなってるのは嬉しかったな!

 

パンフは買って良かった。

無限列車編は夢幻を扱う能との親和性があるって…なるほどねぇ。まぁもちろん"継"というのも伝統芸能にバッチリ当てはまる要素ではあるけれども。

あぁ、萬斎さんは新作能狂言として、フォーマットは踏襲するのではなく外すことを考えてるんだな。木ノ下さんと逆の考え方かもしれない。

今回の台本原案を担当した見崎可奈さんって何者なんだろう?検索してもまったく出てこないから、本当に萬斎さんによる大抜擢だねたぶん。

 

『朧の森に棲む鬼』12/25

松也ライ東京千穐楽㊗️

 

オボロたちの言葉にどんどん魅了されていく松也ライの顔😳

 

松也くんラジョウセットを破壊w 隆松さんじゃない悪党に喧嘩吹っ掛けてふざけながら下りて来る時に勢い余ってぶつかり(ちょっとヒヤッとした💦)フエさんのテントの屋台骨が根元から半分倒れちゃって😅テント倒壊しなくて良かったよ💦

 

ラジョウでの立廻りではグラビアクィーンみたいな振り向きポーズが🤣

 

また言うけど松也くん戦物語りめちゃくちゃカッコイイし、義太夫になるとこ(歌うとこ)すごい魅力的だよな〜😍座り込んで見得の時なんかちょっと菊五郎さんの弁天小僧を彷彿させた…

亡霊たちが出てきて操り人形みたいにされるとこも良き!

 

新悟ちゃんやり投げ絶好調!(クラップ誘うようになってたのねw)

猿弥ちゃん劇場絶好調!(けんけん目の周りが緩んでたw)

 

血人形の真実を知ってからの逡巡の合間に…嗚呼なんて悲しい顔をするのよライ!😭

 

キンタを斬る時も😭悲しい😭

 

今日はずっと悲しい😭

 

ぶっかえり!宙乗り前!はぁぁ😍🥹✨

 

ぶっかえりは後見さん(隆松さんかしら?)が見える横からの角度で観たけど、完璧な様式美だった😳松也くん凄まじい気迫で、めちゃくちゃ輝いてた横顔✨そして飛び六方!

あぁ…私初めて歌舞伎の松也くんを観たのが22年1月歌舞伎座の景清だったなって思い出した。

 

宙乗り前、ラスト台詞「ペテ〜〜ンだーー!」って声がイカしてる!👏

 

今日のお席は視界抜群な上に、七三のスポットを一緒に浴びたし、これが本道だよ!の後のシュテンへ向ける台詞と視線を真っ直ぐに喰らっちゃったりした🤪シュテンの口に血人形を突っ込む時は後姿だけど、凄い気迫の塊が目の前に在って、マントの裾が花道からこぼれてこっちに垂れてる…

ぶっかえり前に倒れ込んだ時はお顔がすぐそこ…

カテコの三方礼もちょうど0番から真っ直ぐに来るし❤️

そういえばラジョウで松也くんがテント柱に転び込んでくるのも真正面だったな😅

 

衣裳がさ、青からだんだん赤へ変化していくんだよね

ほんの1シーン(ツナの夢)だけの戦場の衣裳好きよ赤と紫とゴールドの取合わせ。いや、これが本道だよ!のとこの黒基調の戦装束も白鉢巻ポニテ込みでめっちゃカッコイイし、ツナの部屋の時(スカーフみたいな赤いリボン柄?と紫の柄物の上下に白いシースルー長羽織)も色っぽいし、白塗り王になってからの赤い装束も黒い装束(三角スカート男雛みたい)もめっちゃ似合ってるし、シキブの部屋に来た時はカッコよくてひっくり返りそうになったし、どの拵えも佳いっ!😍

 

松也時蔵の芝居のぶつけ合いが見応えあったよなー!今後もまた別作品でも観たいわ

松也時蔵猿弥の芝居世界の濃さと安定感。

 

ツナ様、しなだれかかった後の怒り爆発凄かったよ😳

 

好きも憎いも同じ…ってとこ、哀しいよね🥺

正義なんて無い、欲望だけだって言うのも…マダレが「そうかもしれねぇな」って言うのも

 

染五郎シュテンの芝居は本当に松也ライへエネルギーを渡してる。起爆剤になってる。

染五郎くん、ぶっ倒れる時の身体の使い方がめっちゃいいんだよね!そういえば鵜の殿様の時も思ったよね!

そうだ、オボロツの踊りの反りの角度が好きだよ!

 

そうそう!本水での松也くんとまつ虫くんの立廻りアツイ!いつも大拍手しちゃう!

 

あ、けんけん弁当持って引っ込む時なんか間があったな?と思ったら後ろの方で転んでたのかw

「弁当は…持ってくのかよ🩷」ってオクマちゃんの台詞大好き😆

 

けんけん、アニキを倒しに向かう時も良いけど、最後の引っ込みの前の思い入れがめちゃくちゃ切なくて好き😭意外と短くアッサリなのがまた良い。

あとね、「兄弟の契りってのはそんなもんじゃねえんだ!」ってシュテンに怒りをぶつけるとこが切なくてたまらん😭

 

はーちゃんやら米吉ちゃんやらまるるやら大ちゃんやら今日は後輩たちがたくさん観に来てたみたい!松也くんそういうアツイ眼差しも感じてただろうな🥹かつての松也くんがそうだったように後輩たちも憧れを抱く✨歌之助くんなんて今月は毎週通ってたんだって☺️

 

カテコで松也くんからひとことあって嬉しかった❤️ひとまずやり切った清々しさ🥹最後は優雅に王子様みたいなお辞儀をして捌けていった。ま、明日もあるけど、1月はゆっくり休んでね☺️また博多座で会おうね🥰

 

『朧の森に棲む鬼』12/23

いよいよ最終週

アハハ!鯉席のすぐ後ろw

 

キンタの芝居が馴染んで良くなってるな

二人の空気感が佳き🥰

ふたりとも髪飾りが同じ綺麗なブルーなのが目についたなぁ。

 

松也くんの戦物語りサイコーにカッコいい😍

シキブちゃんをたらしこむところだからね、拵えもこの時がいちばんイケメンなんだよ。ヅカイケメン。

その後検非違使の制服になって、前髪ナシのぴっしりしたハーフアップになった時は、顔をうっすら白くして、シルバーの妖しい目ばりが入って、口にも黒いのが入ってんだわ!

 

猿弥ちゃんサイコー!!

 

染五郎くん立ち姿がめちゃくちゃ美しい…

 

やっぱ血人形の真実を知ったとこのライの焦りと苦悩が😭

キンタが血人形のしくみにピンとくるまでにタイムラグがあるのも芝居が細かい!

シュテンに騙され道を阻まれた怒りに震えながら、己の道を突き進むこととキンタへの情を必死で天秤にかけ、己を採った瞬間😭

 

2幕ツナの部屋からは頬に赤みのチークが入って、メイクも整えてすっかり色悪の冷たいカッコよさ😍シースルーの長い羽織が色っぽい(さっきのシキブとのシーンとは違う色のやつね)

 

花横めっちゃ最高😳

 

本舞台でキンタが「ライぶっ殺す!」って鬼さんこちらされてる時、七三で倒れたシュテンがあんなに激しくオフカメラ芝居(呻きながら物凄い気迫を溜めてた)をしてたのは「外道が!」を放つためだったんだ!それを受けてライが輝く力を投げ渡すため!

染五郎くんの芝居の真っ直ぐな力が、松也ライを突き動かす力になってるわ間違いなく!

 

マダレが「あんたが(王に)なればいい」と行ったときのニヤリ

 

細かい目線や表情の芝居を堪能できたわぁ〜

 

シュテンの口に血人形を突っ込んだりする時の迫力ヤバかった😳

ここもね、噛み砕くなよって言ってるもんねライ…

 

松也時蔵の芝居のぶつけ合いもええなぁお互い容赦ない、オトナな魅力!

 

あ、ぶっかえりは引き抜きがちょっと遅れて残念だったけどね。まぁそういう日もあるね。

 

「あんなに激しい思いに駆られる日はもう…」って泣いてるツナに優しく笑ってあげてたよマダレ…

 

そうか、朧たちの言葉にいちばん操られていたのはライだった…

 

宙乗りの長袴からは水の滴が垂れてたよ…

 

カテコ2回目以降はかわえぇ🥰ノリノリで飛び出してきて本当に嬉しそうにしてくれててこっちも嬉しい🫶

 

今日は大向うさんがいたね!やっぱいいな〜

 

松也くんに心持ってかれて一息つきたい時はベローチェw

へたり込んで涙目🥹

 

ミュージカル『ライオン』12/20

うわぁ電球をいっぱい使った美術が綺麗✨

 

まず昼はマックスさんの回。

人生には物語なんて無いんだとわかってると生きやすいよってことだな。という感想。

 

そうそう、なんかnext to normalを思わせるとこもあったんだよな。「カッコーの巣の上で」が出てきたし、鬱とか薬とかinvisibleとかも言ってたし。

 

夜は成河さん!

断然、楽しめたわ。

これは如実に感じる"日本語上演"の意義!

 

成河ちゃんが大変元気でよかった

ベンには音楽があって良かったねって思ったし、成河ちゃんには演劇があって本当に良かったねって思ったよ。それを寿ぐ場でした私にとっては。そういう人を見ることが楽しかった素敵だった。アフトも含めてね。そういう人と一緒に過ごす素敵な時間だった。

 

翻訳のことをすごく言ってたけど、確かにマックスさんの回と全然違った。こんなに一緒に過ごす感じになるって不思議なくらいだった。友だちになれたよね。

円形劇場でやったら素敵なのに!(あら、ここクラブeXは円形レイアウトにもできるんじゃんね)

 

しかし成河さんすげぇな。こんなことにも挑戦して、やってのける。本当にこの人は驚くようなことをやり続けていくし果てしなく走って行くから目撃し続けたい。

 

成河さんの歌声好きだよ。とても好き。

劇中、顔が全然違って見えてきたりもした。口調は完全に成河さんで、成河さんの言葉だったけど、人物は間違いなくベンだった。考えたら不思議な感覚だね。

マックスさんは一人語りという感じだったと思ったけど、成河さんのはフリコミ並みの一人多役芝居だったな。父になったり母になったりベンだったり彼女だったりしてたよ。声色も(歌声も!)変えて、それぞれの人物が立ち上がってた。

 

ベンジャミンさんが、最初はとても個人的に、自分に起きたことが何だったのかを知るためにこの作品を書き始めたというのがね、なるほどなぁと思う。

成河ちゃんも同じようなモチベで演劇やってんじゃないかなーと思うんだよね。それに付き合ってあげたいなという気持ちが強いな今は。それはファンだとか推すとかそういうことじゃなくて…観る人がいないと演劇にならないし、だからやっぱ一緒に演劇やってるんだと言うか。

 

成河さんがアフトで言ってた「歌舞伎の先輩」って誰だろう?「俺たちは毎回最高を更新してるんだよって…ホントかよ笑」だって😁

 

そうそう、アフトで言ってたけどね、ロンドン滞在中は今まででいちばん演劇のことを考えたらしいけど、イギリスと日本では演劇が何のためにあるか・演劇とは何であるべきかがまず違うって。一言で言えるものではないし良い悪いということではなく…って。なんかそれはわかる気がするよ。西洋の演劇と、日本の表現主義。議論したり傷ついたりセラピーになったりする感じと、歌舞伎とかを観る感じ。

 

『朧の森に棲む鬼』12/17

2週間ぶりの2回目

今日は3階からマチソワ!

 

昼は幸四郎ライ

幸四郎ライに特別違うものを感じるってことは意外と無かったかも。染五郎くんはよりアツくなるのかなぁとかは思ったけど。

 

オクマちゃんやっぱいいなぁー

コメディシーンがちゃんと巧いの圧倒的!猿弥さんの次に千壽さんが巧いんじゃないかな。

この新感線のおふざけを違和感なくやるのはなかなか難しい。

猿弥さんは流石。うわーんって泣いちゃうとこサイコーw

松也サダミツは焦ってバタバタしてるうちに本当につまずいてコロンコロンしちゃって、ツナ様笑っちゃってたw

松也くんやっぱ声好きよ❤️

 

けんけん、シュテンが血人形の首に刃を当てた時に自分の首筋に何かを感じてる細かい芝居!

 

やっぱ染五郎くんええなぁーーー!!

ツナ様も魅力たっぷり!本当に素敵な女性💓

2人とも立廻りがカッコイイったらない!

 

キンタとライはやっぱ切ないなぁ…そしてやっぱりそこは松也ケンケンで観たいよね。その場面の直前、伏線になる台詞がけっこうあったな…そうだ「悪党が情に流されちゃおしまいなんだよ!」みたいな。

この稀代の悪党ライの綻びもやっぱりそこから…

 

戯曲買えて嬉しいね☺️

 

終盤のシリアスな芝居も猿弥さん素晴らしい哀しい

 

本水は3階から観た方がスケール感あった。床面の水紋みたいな照明の効果もあるからね。滝よりも、手前の浅瀬みたいな本水が新感線らしさを感じさせて良き。髑髏城を思い出すもんね!

3階からは竹本さんもよく見えたね。

 

ライは、その胸の底に持つ欲望がために森の朧たちに魅入られてあの道に引き込まれたのか?

光と水と土…

でももっとその奥に情は持ってたんだよね。

そっか、森の声に呼ばれたのかライは。

 

 

夜は松也ライ!

なんとマチソワ同じ席だったw

 

まずかわいさが全然違うし😍

キンタの立廻りを上手で見てる楽しさとか(音羽屋!)、ロックミュージックにノリがちなとことかね❤️

 

芝居が鮮明

コメディシーンもテンポ良い

 

やっぱ松也ケンケンだからこそのテンポ感あるしエモさもたまらんし

 

松也ケンケンでラジョウに入って来ていきなり隆松さんに蹴りをかます🤣

 

松也くん、戦の物語りも惹き込まれて思わず拍手したくなった

 

いやーーカッコいいーーー😍😍😍

 

美しいポニテとかハーフアップの時の派手な立廻りには宗近をちょっと思い出してしまうわ!

 

キンタが危険に晒されているのを知ったとこが転機になってるよ😭

すごい動揺して、それを何とか乗り越えるために鎧を着込むように自分の心の周りも嘘で塗り固めて勢いつけてギア上げて加速させて突き進んでいったんだよ😭

自分の何となくの行動がこんなことになっちゃって、後付けで「俺は鬼よりも恐ろしい奴だから」って整合性を取ろうとしたんだ…無理矢理にでも「自分は妥当な選択をした」って思おうとしたんだ…

1幕のラストすごい勢いだった凄かった😳

それを頼もしげに嬉しそうにキラキラした目で見てたよキンタは。幕切れに。

 

ラスト!ラスト!何この包み込まれ方!情熱の渦!呑み込まれて取り込まれて

最後のペテン…

 

松也ライとんでもなくカッコよかった!

凄いんだよ迸る、放出されるエネルギーが!

3階で観てたけど、舞台から飛び出して来てたよ。

立廻り迫力!剣捌き速い!

大きさが本当に好き!

宙乗りに昂揚!なんて良い顔なんだ😳見送った火照りが全然冷めない❤️‍🔥

 

カテコはスタンディング👏

松也くんかわいく揺れてると思ったらしまいには変なオジサンになってたけどw

投げチューきた!😍

 

キンタとのシーンで声が以前の感じに変わるの😢そういう表現力が豊か。

目が見えなくなって人の心がわかるようになって、アニキの言葉が心に届かないことが悲しい…キンタ…😭

おいらバカだからよくわからないけど、アニキはあんまりたくさん殺し過ぎた…

アニキはもう生きてない…戦ってる途中からよくわからなくなった…

「ライ!ぶっ殺す!」って言ってたけど、最後はずっと「アニキ」と呼んでるキンタ…

 

そうだ、序盤でライがキンタに「おめぇのその本気が俺の嘘を固めてくれる」みたいなこと言ってたのも刺さるじゃんね😢

 

「外道?冗談じゃねぇ!これが本道だよ!」の台詞をキメる松也ライ、白い照明を浴びて、凄まじい。

 

正義なんて無い

あるのは欲望だけ

正義じゃなくて復讐

心の中に俺だけ

愛も憎しみも同じ

存在したいんだな…ライ…

 

赤い血だけは本物だった😭

 

これほどの激情に駆られることはもう無いだろうなって思っただけ…ってツナ様😭

 

そうだ、ツナとシキブの間に流れるものも前回観た時より濃くなってるよね!

 

松也くんがこんなに熱量放出モードで臨めるのは幸四郎さんの存在のおかげなのかもしれないな。

 

そっか、マダレが何度か「ライ公」と呼ぶけどそれって"頼光"なんだね。キンタは金時だ。

マダレは盗賊の袴垂から来てるらしいけど、袴垂は保昌の弟なんですって。

「どことも知れぬ島国」の話ではあるけれど、まつろわぬ民を鬼と呼んだ勝者・統治者が語ってきた歴史の末端に今我々は居るのだということを思わずにはいられない。

統治者の舌で作られた世界。

何かを語ることは「ライと同じ土俵に乗るようで」と言ったマダレのように、不言実行を美徳とすることもこの国のこんな歴史の中で根づいた態度なんだろうか。

 

頼光とか童子切安綱とか、英雄として語られる者の舌と剣をこんなふうに描いた作劇よ。

英雄と名刀を!

思えば歌舞伎NEXTの1作目は阿弖流爲だった。芸能の元来は"鎮魂"であるということが意識されているのかな。

 

 

シス・カンパニー『桜の園』12/13

なるほど感触が全然違うね。

美術や衣装が素敵。あの家や満開の桜の風景を初めて見たじゃん。

あの美しさには自然と憧憬の念を覚えてしまう。瀟洒な衣装も込みの天海さんラネーフスカヤの美しさには、ロパーヒンじゃなくたって惹き込まれるよ。"古き良きもの"みたいなのを視覚的に納得させられちゃう感じかな。PARCOのと感触がいちばん違った点かも。

 

各登場人物の造形が鮮やか。なるほどねって思う。

たまきさんシャルロッタのエキセントリックさがサイコー!肩乗りキュウリってどういう発想!?🤣

姉妹は意外と仲良しだよね。2人とも財政を心配してるけどいかんせん無知。櫻子ちゃんアーニャはペーチャをキラキラした目で見つめて、ラストも本当に希望に溢れて旅立ってた。でもママに対して批判的にはならないし(良い子ぶってるだけ?)、染みついたお嬢様ぶりはこの先もたぶん変わらなそうだし、どう考えても幸せにはなれなそうで憐れ。衝撃の薄毛芳雄😅

ワーリャはリエさんだしドゥニャーシャはのびえさんだったんだね。はじめさんガーエフと浅野さんフィールスは素敵な取り合わせ。浩介さんヤーシャの嫌らしさ、良々さんロパーヒンの粗忽さ。

みんなみんな、どこか変。偏ってる。

トロフィーモフの欠点を指摘するところで、ラネーフスカヤに初めて同意したわ。

 

あぁこれが『桜の園』か!という気がした。PARCOのはシーンや台詞が結構削られてたのかな。物語や人物の背景は今回の方が断然わかりやすかったと思う。

 

なんだかんだケラさんの作品を生で観るのは初めて。すごく堅実な演出をするんだな。

2020年チケットを取ってた時のラネーフスカヤは大竹しのぶさんだったんだよね。それも観たかった。天海さんはあんな女じゃない!って思っちゃうからさ😅

芳雄トロフィーモフは悪くなかった。カテコで天海さんをエスコートする姿は流石の素敵さだったよ。あんなハゲ散らかしてんのにw

 

12月文楽公演 第二部・第三部 12/11

初めて来ました江東文化センター。南インド料理屋さんでマトンビリヤニ食べた後、横十間川親水公園をお散歩。岩井橋まで行くのは遠慮した。お岩さまを想い手を合わせた。

 

文楽の熊谷はオレンジの裃に黒ビロードの着物で、あの鎮痛な花道の出もないし、歌舞伎の熊谷よりも勇壮な武士という感じが強いかも…ラストとの対比のためかな。「十六年は一昔」も真ん中で、みんなが居る中で言うんだね。この演目は歌舞伎の方が好きかな。てかかしょさんの熊谷が好きすぎたんだよな…

藤の方けっこう見せ場あるね制札の見得に絡んだりして。

相模はやっぱり悲しいよなぁ…

 

「阿古屋」すげぇ!興奮した!

琴は爪を着ける仕草とか、身体の動きで顔周りの銀色の髪飾りが揺れるのが良かったな。中指?人差し指?動いてたよね?

しかし圧倒されたのは三味線と胡弓を弾いてる時の身体!特に三味線かな…床と完全にシンクロして、人形にどんどん血が通い肉感が出て、もう生身の人間…と言うか、お人形が生きて動いてるようにしか見えなくなった😳

演奏中は何か異次元世界だった…

胡弓の後ろで何やってんの赤い人!🤣(火箸で真似っこw)

勘十郎さんも凄いけどさ、左遣いの方も凄いよね!そっか、蓑紫郎さん出遣いだった!

重忠は玉助さんだったね。

三曲演奏してたのは寛太郎さんですって。スゴイよね!

 

第三部「曾根崎心中」

うおぉぉぉーーー!!情感!!MAX!!

あぁもう徳兵衛はマジダメ男だよな

でもね、二人の姿の絵になることったらないのよ…縁の下の徳兵衛がお初の着物の裾を手で翻す動作とかさ。最後の二人の死に際のポーズとかさ。

一輔さんお初の纏う、滲ませる空気、凄い…天満屋で出て来たとこではしっとりした憂いでいっぱいだったし、縁の下に徳兵衛を庇い九平次の話を聞いてる時のキリッとした女っぷりは凄かったし。道行ではなんとも嬉しそうだったじゃないの😭

2列の上手端、ドギマギしちゃうほど床の真下だし舞台も近いし大迫力で味わえた。

天満屋の段は織太夫さん(えぇ声)、天神森の段は大勢だったけどお初は芳穂太夫さん。夜明け近くにお念仏が聞こえてくるのとか憎いよねぇ…そのお念仏の声などをしてた織栄太夫さんかな?も印象的だった。

歌舞伎と違って、最後刺して二人とも息絶えるとこで幕なのね。水色の帯を切り裂いて結んだもので互いを括り合ってね。

あ、冒頭は生魂社でアガったよ!藤棚あったね。目の前の上手の茶店?の中からお初ちゃんが覗いて始まったから嬉しかったよ。

あぁそう、天神森の空に2〜3個だけ星が光ってて、なんか泣けちゃったんだよね…

この物語にこんなに入り込んで、美しいとか思いながら観れたのは驚き。

 

パンフに床本、今回は挟み込みじゃなく収録されてるのね。

読むと熊谷陣屋相模が更に悲しい😢けっこう素直な言動をしてるんだよね。息子が心配、なんでそんな!?ありえない!っていう嘆きを感じるよ。

曾根崎は「恋の手本」って入ってないね?この詞章は歌舞伎オリジナルなのかな?