J’aime le théâtre♡

観劇日記。

木ノ下歌舞伎『勧進帳』

9/2初見。

面白かった!

 

弁慶すごいスーパーマンだなぁデカいし強そうだし賢いし愛敬もある。

山本さんも?には吹いた🤣

 

富樫のこと考えたことなんて今まであんまりなかったなぁ。

富樫くんお酒持って来た気持ち

両手に大きなコンビニ袋を提げてひょこっとやって来た富樫くん☺️

ピクニックシートの袋開けて広げるワチャワチャが切なくていじらしくて笑っちゃった!

 

なんだよイッツアスモールワールドでジンワリ泣けちゃうなんて🥹

義経様も笠の中で微笑んでたよ

楽しいひとときだったよね

(わぁそうかこの曲があるために配信や円盤化できないんだってこれこそボーダーじゃんなんたる皮肉!)

 

ラスト、ラジオのニュースを聴きながらピクニックの残骸を見て、いい笑顔してたよ富樫くん

今までの自分だったらあり得ない行動をとったんだもんね。戸惑いと清々しさと…かな。

 

義経側と富樫側の面々を同じ4人が2役で演じるのにも驚いたけど、なるほどね、あっち側にもこっち側にも同じような人間たちがいるんだよね。頭使う人も使わない人も、どちらにもいる。

 

ボイス三味線とかすごかったなー面白かった!

カテコなんて楽しくてアゲアゲになっちゃったよ!富樫くんの笑顔❤️

 

シアターイーストで対面舞台は初めてだったな。独特の雰囲気あるよねどうしたって向かい側にいるお客さんたちを眺めちゃう。

 

リー5世さん・高山のえみさんが弁慶・義経を演じていることで、社会のマジョリティとマイノリティの間にあるボーダーに意識が向く。山崎さんは通れるのに?とか、"みんな"が何とも思わないことに対して疑問を持ったり「ヘンじゃない?」と言ったり。そう言われてマジョリティ側も「そう言われればそうかもな」とか「なんでだろな?」と考えるようになったり。

外圧でしか変われない日本とかも思っちゃう。

 

へぇ、能の「安宅」では弁慶は力で押し切って関を通るし、歌舞伎では富樫が弁慶の忠心に心打たれて一行を通すという筋立てなんだな。キノカブ富樫はまた違うよね。もっと複雑で、現代に引き寄せて感じられる気持ちと行動。わかるわーって思える。富樫が義経たちを通したりお酒なんて持ってきた理由を、現代の私たちが納得できるように考えるとっていうのがキノカブだね。

歌舞伎の勧進帳でも、富樫を若い役者が演じたらこんなふうにも見えるんだろうか。

 

しかしね、ほんと「かっけえぇぇー‼️⤴️💓」っていう感覚を味わえるのってそれこそがまさにカブキだと思うよね!ちょっと奇抜だなってギョッとしちゃったりも含めてね。

 

 

9/17

手前側下手、こないだと対角の位置でおかわり。

 

ゴド待ちっぽいという感想を見掛けたけどなるほどな。辺境の関の雰囲気。

 

義経が「大丈夫。弁慶を信じよう」と言って泣いてた駿河や悲観的になってた八郎も納得させてさぁ関を越えるぞって歩き出す、富樫も歩き出す、そこ音楽かかって摺り足で、カッコよかったなぁー!

あと、弁慶たちと富樫の足ジリジリするダンスの殺陣もブチ上がるカッコよさ!(歌舞伎の型だね)

ボイス三味線はじめお囃子にもテンション爆上がり!拍手したかったわ!

 

富樫くん、打擲の後に番卒たちを見回して、こいつらは俺に対して弁慶みたいにしてくれないだろうなって思ってる感じした。

富樫くん自身の問題でもあるんだな。いつもつまらなそうで、部下に対しても不満ばかりな。

こいつらと俺の間にはこんな信頼関係は無いなって省みるところから、自分の生き方を変えるというボーダー越えね

 

問答の時とか、弁慶も意外と「わっやべぇどうしよ」っていう顔してたんだなって今日の席で初めて気づいたよ。

序盤の「ばれてんねん」笑っちゃうよね!

 

弁慶さんあんなことしてスゴイっす!って言う駿河に対する義経様のオイオイってお顔が🤣親近感というか愛着わいたなー。

 

君の手を握りたいでもボーダーラインだから

それぞれの運命

一緒に戦ってきた仲間だけど

切ない😭

義経様は、兄頼朝とのボーダーラインを思ったりもされたのだろうか

グラサンボーイズの歌!ラップ!

 

踊りを見るのが好きなんだと言った富樫くん、この人踊り習ってたんですよと駿河くんにバラされたので遠慮がちに踊り出した常陸、次々と輪が広がってみんなで踊るイッツアスモールワールド泣ける

 

義経様の引っ込みのお顔ハッとする美しさ神々しさだった。

のえみ義経様、最初から最後まで本当に手先まで綺麗だったな。ごめんなさいごめんなさいってちんまりと頭を下げている弁慶に対して、扇を一度パタンと音をさせて下に置いてすぐに持ち上げる仕草の手先とか自然で美しくてたまらんかったわ。

(扇パタンは、歌舞伎では弁慶と四天王たちが思い出を振り返って涙するとこでやってた?)

 

関越えの緊迫感とかめっちゃドキドキするし表現がいちいちかっけぇ!てなるしブチ上がるし心震える劇だよ!

 

あ、そうだ、ラスト、ラジオを消して立ち上がった富樫くん、上を向いて前に1歩踏み出そうというところで暗転だったね。素敵。

 

ボーダーライン

他者との間には必ずボーダーがある。つまり人は結局、孤独。ひとり。

それを前提として、でも手を繋ぎたい思いを抱くこと、スモールワールドを夢見ること。

な。

江戸の人も鎌倉の人も、そんなことを思ってたんだろうか