J’aime le théâtre♡

観劇日記。

歌舞伎座 2回目

二月大歌舞伎第二部 渡海屋大物浦🌊⚓️

この凄まじいドラマを最前列で堪能させていただいた。花道にも近い10番。


白糸威の知盛、やっと敵を討てる日が来た、あな嬉しやなって言ってたんだな。この時のギラギラ笑う顔と「昨日の敵は今日の味方」の笑顔との対比よ!


「生き代わり死に代わり」のとこ泣ける。

仁左さま「これは反戦狂言にも思える」と仰っていたんですね。そうなんだな。侍の刀は人を斬るためのものではない、""の字は戈(ほこ)を止むる(おさむる)と書くとやらとかも言ってるもんね。

あぁキノカブのもまた観たいな。

仁左衛門が語る、大阪松竹座「七月大歌舞伎」|歌舞伎美人

仁左衛門さん、素のお顔は本当に柔らかくて優しいよなぁ。


「仇に思うな コレ知盛ぃー」と帝に言われた瞬間の顔は私の席からは見えなかったけど、ハッとした後に脱力していくのが分かった。

修羅道畜生道を語る姿は哀しかった。(そう言えば瀕死で戦いながら矢尻に付いた自らの血を啜って渇きを癒すのとか壮絶)

典侍局の自害には背中いっぱいに悲痛さを湛えていた。

義経配下に抱っこされながら最後に知盛と見合って別れを惜しむ帝、目を瞑ってちょっと上を向いて泣いてたんだわ🥺

よろめきながら、でも薙刀を確と握り、岩を登って行く。綱を巻きつけたり碇を持ち上げるところは固唾を呑んで見守ってしまう。舞台下手で帝も義経も弁慶もみんなジッと見つめてたよ😢

今日は見上げる形だったので綱が落ちて行く様はまったく見えなかったけど、きっとスルスルと落ちて行ったんだろう。碇を高く掲げキッとしたお顔のまま後ろに倒れる最期の最期まで、目を離さず見届けた。


大物浦、義太夫のとこってミュージカルだなぁと思った。役者も歌ってるよね。仁左さまも、又五郎さんもね。


時蔵さんの義経は本当に気品に溢れてるし、帝を…"明日"を請け負った重さを感じている表情が堪らない。

序盤、銀平を誉めて武士に取り立ててやりたいところだがとか言った時は、ほらもぉ!そういうとこ!と思っちゃったけどね😅

時蔵さんは女方も綺麗だろうなー。


孝太郎さんの声やはり良い。典侍局はねぇ先に女官たちを身投げさせてしまったからやっぱり死ぬしかなかったのかなと思った。あんなに"んば"を慕ってた帝がひとりぼっちになっちゃうのは可哀想なんだけどな。


左團次さんあんなプルプルしてんのにキメるとこはキメるの凄いな。


はーちゃんもめっちゃ近くで見れて嬉しかった。大物浦の入江丹蔵は美しいよなぁ😍手負いで喘ぎながら花道から登場してきた時ヒャッ😳てなってしまった。吐息、喘ぎ声、苦しさに歪めたお顔、ごちそうさまです🙏両脚を高く上げて敵もろとも後ろへ倒れる最期までマジかっこいい〜😍


最前列は役者の表情もだけど衣装をよく見れるのも嬉しいね。銀平の着物の絶妙な色味、白糸威は壮麗だなーと思って見てたら毛皮のモフモフしたスリッパみたいの履いてんの!薙刀のカバー?もモフモフだったね。あと、烏帽子が後ろに折れ曲がったみたいな部分はぷっくり膨らんでる感じなの。

血塗れの生々しさも凄かったな。

丹蔵の渡海屋での着物は水玉模様で可愛かった。大物浦の相模五郎は銀色の鎖帷子が綺麗だったのと、見栄を切る時に右足の親指がクッと持ち上がってたのが面白かった。相模五郎は髑髏ヘアバンドだけど、知盛配下たちの幽霊装束おでこの三角布にはなんか変な文字(逆シ?)が書いてあった。

そう言えば銀平の髪はなんか頭頂?髷の脇のところが両方にツンツンと逆立ってんのね。お柳は後ろに下げた髪をゆる〜くシニヨンにしてた。あとね、安徳帝の小さなお手手が見えるとなんかグッときちゃったよね。天照大神にお暇乞いをするとこもだけど、最後に義経に抱き移された時に義経の肩に掴まるのがちらっと見えたのも。

そうだ、七草の踊りの衣装も綺麗だったよ。十郎は鳥の模様、五郎は蝶。水色地に、何とも言えない配色だよね。踊りも間近で観たら楽しめた。手指の表情が綺麗だなーとか、目線の遣り方とか、五郎の髷(前髪?)はなんか面白い形だなーとか、千之助くん近くで見てもホント可憐だなーとか。


終演後のアナウンスで第三部が今日から休演と聞いてびっくり。周りのおば様方もざわついてた。みっくんが陽性なんだ。第一部も鷹之資くんが陽性で代役を立ててる。第二部の皆さま千穐楽までどうぞご無事で。