ワールド・シアター・ラボ2022 リーディング公演『サイプラス・アヴェニュー』観てきた。上野ストアハウスって初めてだと思ってたら行ってみたら見覚えのある劇場だった。グーテンバーグだな。
いや、もう、悍ましくて怖くて。
自分の価値観を疑わない更新できない(しない)おじさん。
最後もわろてたやん。
大丈夫、これは物語だから、大丈夫、私は圧し潰されることはない。
帰り道、ちょっとどんな感情も生じさせたくなくてジッとしていた。いま心を動かしては危険だ平静を保てというリミッターが作動した感があった。
気をつけないと、自分に引き寄せて感じてしまいそうで怖い。遠い北アイルランドの話なんかじゃ全然ない。
俯瞰できる余裕ないな…だから無視したい。観なかったことにしたい。
あぁ、確かにこういう場合に「構造」は助けになるのかも。
音楽もたぶん意図的に妙に楽しくしてるとことかあって、病む。
そう言えば昨日聴いた木ノ下さんの講座のテーマが「差別」で、あのゲストの感じに結構引いて、ちゃんと聴いてもらうため・届かせるために演劇は有効だよなーと思ったとこだった。
この根深さ、どうしようもなさを、絶望を、痛感したよ今日。実の娘があんなに訴えたって何も届かなかった(娘役の女優さんベショベショに泣いてた)。これが現実だろ。松永氏のように指摘して糾弾したって絶対に届かねぇよ。
このどうしようもなさに苛まれることを誰かと共有できた筈だ、って信じることが救い。同じようなこと蜘蛛女の時に書いたな。
エリック役の大森さんめちゃくちゃ上手かったんだと思う。凄いリアリティだった。抑えた、どちらかと言えば静かな口調。本当に怖かった。
あぁ大石さんのツイート「複雑なわかりえなさに、知ることと演じることでなんとか想像の射程をのばしていこうと奮闘する濃密な時間でした。」って。真摯だ。