J’aime le théâtre♡

観劇日記。

『エンジェルス・イン・アメリカ』

4/30 まずは第一部「ミレニアム迫る」観てきたけど、なんかねぇレントとかもそうなんだけど、これを同時代に観たらそりゃエキサイティングだっただろうけどさぁっていう感じなんだよなー。

ただまぁ、パンフを読んだりして、そっかぁ変化しない社会に対して異を唱える話ってことで今と繋がるのかぁとかは思ったけど、だったら今の話を誰か書いてくれよ〜って思う。まだ観てないけどこの後第二部まで観て最後に希望みたいなものが示されたとしたって、いやいや40年近く経っても全然だしって思っちゃうよね。それこそペレストロイカってあんた今ロシアこんなだよ?とかさー。

 

この時代、まさに私が生きてきた時代なんだよなぁ。レーガンの頃のアメリカ、日本の小中学生だった私も、アメリカ強ぇって思ってたし、冷戦やべぇなぁとか核軍縮マジ頼むよとかロス五輪すげぇなぁとかも思ってた、その感覚が自分の中にあるもんな。

その意味で、今の社会はいつの間にか私たち世代が形成していたんだなぁと薄ら寒く思うし、変革というのが如何に困難なことか愕然とする。

 

長時間なことはさほど苦にならなかったし、面白いシーンもあったし、浅野雅博さんのベリーズが圧倒的に素敵だったり先祖プライアーsが楽しそうで良かったり見どころもあったけれども、うーん…そんなに良い戯曲かしらねぇ…という感想。

やっぱ第二部まで一気に観た方が良かったのかなー。まだ途中だからこんな感じなんだろうか。第一部だけだと思ってた以上に途中だったわね。

あとまぁやっぱり、登場人物たちが抱えてる問題が私からは遠いからかな。

 

5/10 第二部「ペレストロイカ

うわぁこんな祝祭感で終わるって予想外だった!

カテコでは観客もキャストも互いに拍手で讃え合う、生きてることを讃え合うみたいな。今ここに生きてる同士として。

「生きる中毒」なのかもしれないけど。

「それでも祝福が欲しい」ってプライアー言ってたね。

 

失い続けながら前に進む😭

 

プライアーがあんな魅力的に見えるなんてね。

ハーパーやプライアーを愛せるようになるなんて予想外だった。

プライアーの岩永達也くんカテコでニコニコしてて可愛かったなー。

 

「理論」かぁ…

新しい皮が無いのに脱皮したら生きていけないっていう話。

冒頭のボルシェビキの演説には聴き入ってしまったよ。

そうか、第一部冒頭のラビの話もこれもたぶん同じ意味の老人の話なんだ。すごい冒険・移動・革命の末に今があるのだから生半可に変わろうとするな、みたいな?

 

交わること・動くこと・移動することってコロナ禍を経験した我々には恐ろしい響き方をするよね。

第二部は俄然、今の話として受け取った。グサグサきたよー。決していつかのどこかの誰かの話じゃない。

うん、面白かった!

やっぱがんばって1日通しで観るのが良いのかもな。第一部だけだと、あぁ80年代のアメリカのあの人たちの話よねって思っちゃってたからな。

 

赦すっていちばん難しい…

エセルさんとルイスの、ユダヤの祈りカディッシュには泣けちゃったな。

 

可笑しくて吹き出しちゃうようなとこもあったよ。ロイの死んでませーん!とかサイコーだったし、天使の風にハンナの那須さんが床でジタバタしてるのめっちゃ可笑しかった。

モルモンビジターセンターの蝋人形?にも笑っちゃった。水さん!

天使がいっぱいいる絵面もなかなかだった。エンジェルスインアメリカってそういうこと?

 

天使は、動くな・変化するなと言うのね。

チェルノブイリとか出てきて、世界は悪くなるばかりだと言って「分かっている」と言うけど、確かにそれは私たちオトナの態度だ。

わ!鬼舞辻無惨も変化(=劣化)が嫌いじゃん😨

 

天国はサンフランシスコかぁ。

 

そっか、プライアーは身体の中に入れられた預言書を天へ返しちゃうのか。

そんなふうに人間は、社会は、変われるだろうか。