J’aime le théâtre♡

観劇日記。

国立劇場『義経千本桜』

初代国立劇場さよなら公演。Bプロを鑑賞。

「椎の木」(「木の実」とも言うよね)

「小金吾討死」「鮓屋」

ここは観たことないから観てみたかった。

 

へぇ権太こんな奴だけどなんか愛敬あるし子に優しくて何だかんだほのぼの親子3人じゃん☺️と思わせられたのが最後に効いたよ😭巧いな並木千柳&菊之助さん!

権太が子をおぶって3人での花道の引っ込みと、母子が身代わりで花道を連れられていくのの落差😭善太が振り返ってチャンを見るのが切ない😭

その後維盛たちを呼ぶのに権太が母に吹かせた笛は善太のおもちゃだったじゃんね😭

 

恩とか主従とか、つくずくろくでもねぇ…

 

米吉ちゃんまたしても可愛かったー。きゃぴきゃぴで。お里ちゃんも可哀想だよ😢

維盛たちを逃がす時、ひざまずいた姿勢で若葉の内侍に笠を渡すのがやるせなかった😢

 

白塗りじゃない菊之助さんは初めてだったかも?女方しか観たことなかったかな?

権太とても良かった!あんな声や雰囲気も出せるんだなー。綺麗・清廉なイメージが強かったから、あれも菊之助さんなの!?と思っちゃった。

 

萬太郎くんの小金吾も青い感じや声が良いなーと思った。立回り(縄を使ったシーンが見所ね)なかなか面白かったし、弥左衛門が小金吾の遺体の首を斬り落とそうと刀を振り上げたところで幕切れになるのニクイよね。閉まりかかってる定式幕の後ろでヤーッて声がするの。

 

鮓屋の場は単独で上演されることも多いらしいけど、いや絶対木の実から続けて見せた方がいいよ!

 

スケジュール的に難しかったのと渡海屋大物浦や四の切はなんとなく最近観たにざさまのと猿之助さんの記憶を上書きしたくないのもあって敢えてBプロしか取らなかったんだけど、あぁ鳥居前は観たかったかなぁ米吉ちゃんの静とか彦三郎さんの弁慶とかもちろん菊之助さんの忠信もね。

知盛・権太・忠信は「立役の卒業論文」と言われるとのことで、そっか菊之助さんその3役をされてたんだな。まぁまた観る機会もきっとあるだろう。

 

パンフに花組芝居の加納さんが寄稿してて、「ドラマを見るか?役者で見せるか?」ってなるほどなー。

私はドラマで唸らせてもらうのが好きって言えばいいんだな。

頼朝の陣羽織の裏に何やら書いてあって裂いてみると数珠とか入っててという件とか感心したもんね。所詮下々の者たちよりも頼朝や梶原の方がうわてで、弥左衛門も権太も小金吾もみんな無駄なことしてたんじゃん😩ていうのがさー。

以前成河さんも言ってたけど、知盛と義経を邂逅させるとか、権太たちの無駄死にとか、敗者である平氏が生き延びてるifとか、こういう話を江戸時代の武家政権(しかも源氏の)下で書き上演したということに思いを馳せるよね。

弥左衛門が恩を感じてる重盛は早死を惜しまれた人だしその子維盛は薄幸の美男子として江戸庶民に人気があったんだろう。みんなの犠牲の上に生きやがって!と思うけど、並木千柳にも江戸の人たちにも同じ気持ちはあったんじゃないかな。

 

あ、そうだ、権太が最初に家に帰り着いて来た時に弥助と似顔絵を見比べてたよね。あれ騙りで取った内侍の荷物の中にあったものなんだ。もう絶対木の実の場から必要じゃん!