J’aime le théâtre♡

観劇日記。

『守銭奴 ザ・マネー・クレイジー』

芸劇プルカレーテの『守銭奴』面白かった。終盤の訳わかんない過剰な祝祭感が好きだったな。可笑しくて笑っちゃった。

そんな中でも、みんなからジトーッと見られていたって、小箱を抱きしめて最後まで(最期まで)めちゃくちゃ幸せそうだったアルパゴン様。それをむしろ天晴れ!と羨ましく見ることもできるし、もちろん悍ましいと見ることもできる。

 

終盤の展開には『十二夜』を思い出した。シェイクスピアをパロってたりするの?

壤さんがドレッサー前で役替わりしたの、あの桜姫のドレッサー!?ってテンション上がった!

 

しかし日曜の昼だというのに客入り寂しかったな。通路より後ろのサイドブロックはほとんど空席だったもの。ゆったり観れたのは良かったけど。

 

フロジーヌが最初に出てくる時の照明の色、壁の紫&ソファに当てられた黄金色の色合いがすごい好きだった。薄い塩ビみたいな半透明幕にドアが描いてあるその黒い手描き線描みたいなタッチもあいまってなんかすごく良くて、これを見れただけで良かったって思えたくらい。

 

今SPACでも守銭奴をやっていて、こちらには「ドケチおやじが恋をした」みたいなコピーが付いてるけど、これって果たしてそういう話なのかな?今日観ていてまったくそれは思わなかったけどな。アルパゴンが結婚したがるのはやはり金銭的打算あるいは息子への意地悪かなって思った。でも確かに持参金目当てなら貧しい家の娘には目をつけないだろうしなぁ。

シェイクスピアなら恋をすると人はみんな馬鹿になっちゃうけど、アルパゴンは恋をしても守銭奴である本質は変わらないっていうのが面白いと思った。

あらSPAC版はラストを変えてるみたいね。私は、最後まで幸せそうなアルパゴン様が良いと思うけどなー。

 

観てる時、特に前半、たぶん戯曲だけでは笑う感じじゃないのを演出で最大限面白く観せてくれてるんだろうなーとか思ってたけど、いや後で戯曲読んで充分コメディだったわ。笑わそうとして書かれてる。