結局3回も観ちゃった。
奥の壁がこちらに向かって傾斜している圧迫感。あれ床だよね?鏡合わせと言うか、異なる地平があるってこととか、メビウスの輪の表裏とか、surrealとか、そんなことを思った。
観る前はてっきり暗号解読のドラマかと思ってたんだけど、全然違った。
タイトルのダブルミーニング、なるほどね。
1950年代ってそんなだったんだな。ラブシェール修正条項。
生きづらさ。オケのチューニングの音。
亀ちゃんがグルッと歩くのは、世界の縁(ふち)?
その外にも空間があることに開演前は気づかない。
実際は、外(横・上)から照射する光によって浮かび上がってるんだよな。
みんなが出てきて転換するのも、周囲の人たちがチューリングの人生を形作っているという感じに見える。チューリングはそれに翻弄されているような。
正解と間違いとの区別はハッキリしない。
数学でさえそうなんだから、いわんや…
必要悪。
戦争中の開発のおかげで進歩した技術。
トルストイの言う、自由意志。
摂理・非情な星の巡りの中なんだけど、でも人間は自由意志を持ってると思わなきゃやってらんないでしょ!ってことかな。
論理だけでなく勇気とか不屈さとかも必要だった、抱えてきたものや培ってきたものや、人生・世界のすべてが「繋がった」あの素晴らしい瞬間。
ニコスがアランの真似をしながら(ちょっとふざけた感じで)歩いて、後ろ正面に行ってこちらを向いて立った時、顔が完全にクリスになってたよなー。田中亨くんとてもよい。
劇中、人物が後ろの真正面に立つ時ってその人の芯みたいなところを表してたような気がする。
魂とは?どこにある?
身体と分離させる実験・実践として青酸カリのリンゴ。白雪姫。クリス王子様の腕の中で目覚められただろうか。
コートハンガーにずっと掛かってる帽子の存在がたまらんね。
ラスト、帽子に顔を寄せてニコッてしてたなぁ亀ちゃん。
あんな陽気さの裏でいろんなことを諦めて生きてきたと思われるノックスや、どん詰まりの中で妥協しながら生きるロンも哀しい。
嘘をつくこと、つかないこと…クリスが最初のシーンでそういう話をしていたよね。
あーめんどくせぇな生きるって。
周りを傷つけもするし。
ところで、「リンゴを薬につける」と言いながら丸のリンゴに顆粒みたいな薬を注ぎかけるとこ、てにをはが気になってたんだけど、戯曲見たら「漬ける」だった。薬の小瓶の液体の中にリンゴ1切れを浸すイメージなんじゃないのかな戯曲では?