J’aime le théâtre♡

観劇日記。

NODA・MAP 『Q』: A Night at the Kabuki

名前、ね。

最近よく考えているテーマだから興味を惹かれた。

 

「名を捨テロリスト」

「名を拾イズム」

 

巷に溢れる匿名の言葉

ロミジュリの「この名を捨てよう」

名も無き兵士として死んでいくこと

 

あれぜーんぶジュリエの回想だって最初から知らされてるのに、ラストで改めて思い出さされてあゝ!😭ってなるね。

 

平家物語とロミジュリを絡めた戯曲でクイーンを使って。冒頭シーンは俊寛?と思ってたらシベリア抑留に繋がっていった。

野田戯曲らしい持って行き方、言葉遊び、巧いなーと思うし刺さる台詞もあるし、演出の面白さもあるんだけど、つい最近パンドラを観てるからさあまりにも風味が似てる気がしちゃってね。

 

言葉遊びの部分を面白く観せるのってすごく難しいんだなと改めて思った。その点でも、身体の動きも、声も、俳優としての野田さんやっぱ好きだな。声はちょっと枯れ気味だったけど。

 

クイーンが刺さる!という人だったらグッとくるポイントも多いのだろうけどそこは私は残念ながら。アルバムタイトルをもじってわざわざ A Night at the Kabuki にしたのなら、ジュリエはせっかく松たか子さんなんだから、どうせならロミオは歌舞伎俳優を起用すれば良かったのにね。

 

ひゃっ!あの巴は伊勢佳世さんだったんだ!印象的だったなー。途中で存在を思い出した時アッ!と思った。

名も無き兵士として朽ち果てるより、探し求めて来た巴に「おのれロミオ!」と殺された方が良かったんじゃないかとか、そんな考えがよぎる。

 

2組のロミジュリが重なったり入れ替わったりする演出はどこも素敵だった。

 

「面影」って言葉、野田さん好きなのかな。

竹中さん演じる平凡太郎が「水を」と言った時はヒャッてなったな。