J’aime le théâtre♡

観劇日記。

芸術監督トーク

世田谷パブリックシアター新芸術監督就任イベント -公共劇場における芸術監督の役割を考える-

白井さん・絵梨子さん・圭史さん・近藤さんという4人が集まってトークなんて面白そうじゃーんと思ってたら進行役に成河さん!?ぜっっったい行く!!ってなった。そしてなんと完全無料イベントよ。チケット取れて良かった。

 

とてもナイス進行でした成河さん。何よりこの4人と関わりが深くて、これまでにもこんなような話をたくさん一緒にしてきてるんだろうねという信頼に満ちた中で皆さんが話している感じなのが心地良い。尚且つこちらも成河さんからこういうことを考える機会を与えられてきてるからね、めちゃめちゃ興味深く前のめりになっちゃうような話ばかりで、ここに参加できてることに興奮したよ。それに皆さん直近の舞台でお馴染みの面々なので勝手に親近感も湧いちゃって、単純に会えて嬉しい♪みたいな感覚だったし。ホント面白くてアッという間の2時間弱だった。

 

最初に成河さんが投げ掛けた「芸術監督になりたかったですか?w」という質問で、ざっくばらんに話したり聴いたりする空気(私たち客席も含めてね)がすぐにできた。

圭史さん(白井さんもだって!)の、串田さんから松本の次期を匂わされてっていう話はサイコー🤣

 

芸監には人事や予算に関する権限はないという話。(国内でもSPACなど例外はある)

アメリカではそういうのをやる人とアートディレクターが2人でタッグを組む(ケンカ別れなどもある)ケースが多いみたい(by絵梨子さん)

確かに、芸監をやる人に必ずしもそういう実務能力があるとは限らないよね。権限が集中することの弊害もあるかもしれない。

もし人事や予算も扱わせるなら、イギリスのようにまずは小さな劇場のディレクション(小さな劇場にも芸監がいるということね)を経験して能力を養い徐々に大きな所へというようなしくみも必要かも、と絵梨子さん。

 

「俳優の人気・集客力に頼ること」にも質問の中でハッキリ言及してた成河さん(この質問だけはきちんと書いてきた文章を読んでた)

公共劇場としてやるべき公演とは別にやっぱり黒字が見込める公演は必要なのだと白井さんもハッキリ言ってたけど、つまりその両者はなかなか一致しないのですねってことだよね。

 

制約の中で、自分の動機が変われば良いのではないか、と白井さん。

人気俳優が出るのは悪いことではないという話の流れでこれを言ってたかな?

なんか、おっ?と思った。

決して妥協とか諦めには聴こえず、ちょっと新しい視点を提示してくれたような気がしたんだよね。

ピンときてはいないんだけど何故か引っ掛かってる、覚えておきたい言葉だな。

 

圭史さんは、公共劇場にはすごく芸術性の高いものから軽いもの(冒険者たち』をイメージしてたと思う)までいろんな作品が掛かるべきだと言ってたね。

 

周辺住民やタクシーの運転手さんもそこに劇場があることを知らないという現状を何とかせねばというのは皆さん共通なのね。

人が全然行き交ってないさい芸w

人流はあるけど2階までな世田パブ。

1階の公共スペースを活用したいKAAT

いろいろな計画がコロナで実施不可になってしまっているのも無念。

絵梨子さんは新国の建物が冷たい印象だったり"喫茶"という表示や使ってる食器がダサかったりそういうのが気になってひとつひとつ提案・改善していった、大きな指針を打ち出す立場でありながら身近な手触りのところも気にして手をつけていく姿勢がとても素敵だと思った、と成河さん。あのタペストリーもそうだよね。

あ、世田パブの新しいタペストリーは分かりにくいけど"25"デザインなんだ

(4/23友の会からこのデザインの手拭いが届いた〜粋!)

 

芸監は孤独なんですって。その点で4人が共感し合ってるとこで成河さんは疎外感を覚えたと言ってたよw

 

商業ではない創作はなかなか難しい、たぶんこつこつプロジェクトを念頭に絵梨子さんが俳優やスタッフの拘束期間もという話をしてたと思うけど、劇場が俳優とかを雇用することについて成河さんが振ってたかな?ハウスレジデンスと言ってたっけ?(これのことか?これはプロダクション専属かな?House Residence — House Productions)

この話を圭史さんとした時、だって半年300万とかでソンハ来てくんないだろ?って言われてそうだなできないなと思ったって成河さん。半年300万ってリアルw

 

成河さん、パフォーマーとして公共劇場の機能のためにできることがあるのでは?とおそらく自問して得た考えを話してくれたんだけどダンサーにケアワーカーの仕事をさせるとか俳優を企業に派遣して会議を面白くさせる?とかはちょっと違うんじゃないかなと私は思うよ。

社会と繋がるため?にそんなことまでさせなくていい。それは俳優()として社会と繋がっていることにはならないんじゃないかな。

確かに成河さんは以前カルチケイベントの時だったか「こうして皆さんとお話することも舞台上で演じることも僕にしてみれば何ら違いのない、演劇なんです」と言ってたし、世の営みの全ては演劇だと考えているみたいなんだけどさ。一般的な感覚だとそれって単なるバイトの斡旋にしか見えない。ダンサーや俳優として雇用契約した人にさせる仕事ではないと思うんだけど。

まぁでも劇場に雇用されて俳優の生活が安定するのは望ましいことなんだろうな。クロネコチャンネルでも触れてたよね。稽古期間に対して報酬がないっておかしいよな。交通費とか。

(4/23 「応用演劇」の講座を世田パブが企画してる。こういう事業をやろうとしてるのかしら?)

 

あとね、近藤さんが言ってた、創作過程を見せるとかそれを売るとかは、私はうーんちょっと苦手。ダルカラがやってたのとかIMYが売ってたのとか、ちょっと面倒くさいなーと思ったもんね。日本の現状だとそれ、握手会とかチェキイベとかと同じノリになっちゃうから。

あ、プレビュー公演を設定してくれるのは大いに結構よ。本公演になる前のリーディングとかも。そういうのだったら大歓迎。

 

芸監は何をすべきか、もっと権限を持った方が良いのか否か、適切な任期は?(任期は決まっているのが絶対良いと絵梨子さんは言ってたね)とか、こういった公共劇場ができてからせいぜい25年ちょいの現時点では目下検証中でまだまだ答えが出せないことも多い、まだまだ途上なんだね。

欧米に倣えば良いというものでもない、日本に日本人にマッチする形を考えたい、と成河さんも言ってたけど、それはそのとおりだと思う。「我々の社会にとっての舞台芸術」という視点は、歴史も踏まえた上で常に持ちたい。

こういう話をする場を作ることの必要性も以前から言ってるよね。今度誰と話したいですか?って最後に皆さんに尋ねたりして(串田さんナシねってw)。野田さんとか栗山さんとか鈴木信さんとか挙がってた。絵梨子さんはちょっと年下の人たちと話したいと言ってた。

 

鮮やかな効果が現れることを求められがちという話をしてた時に、絵梨子さんが意図せず「革命(的なことを求められる)…あ、革命だ!ってサンディですねw」とか言っちゃって白井さんを見て笑っててね😆その時の白井さんのビミョーな顔も可笑しかったんだけど、そっか未来を考える会議!ってアンチポデスのことをすごく思い出したよ。

 

ちなみに、こつこつプロジェクトとフルオーディションはどんなに効率が悪くてもこれだけは絵梨子さん譲れないポイントだし新国のスタッフの方々もそれは分かってくれてる(これ止めたら絵梨子さん辞めるw)って。

 

絵梨子さんが「個」と言った時とか、圭史さんが「神奈川県は西に広くて」って言った時に、成河さんがニコッとするのが嬉しかったよ☺️

そうそう、絵梨子さんは、画一的ではない個が集まっているからこそ集団が良くなるという考えを強く持ってるんだなーって思った。きっと成河さんそれも思い出してのあのニッコリだったんじゃないかな☺️

圭史さんとは冒険者たちの間じゅうずっとこんな話をたっっくさんしてただろうし、白井さんとはコロナ自粛中に話してたような感じするし、近藤さんともいろいろ企んでそうだし。同志たちだよね。

美しきものたちだわ🌸

 

佳き夜だった。

世田パブますます愛してしまう。

 

 

公共劇場の役割、ね。

病院や鉄道と同じように当たり前に提供される公共財だと白井さんは言ってる。白井さん熱いね。今日みたいな企画を考えて実施してくれた。「こうすべきだというものがあるならやればいいんですよ」って強さもある。

進行役に成河さんを指名したのも白井さんだったそうで。通りいっぺんなトークショーにはしたくない、率直に(いつも話してるようなことをだね)聞いてほしいからと僕を呼んでくれた、つまり白井さん変態なんですwって成河さんに言われてたよ。

 

野田さんの名前が挙がった時(確か成河さんが出した)皆さん何となく「・・・」って感じの反応だったように見えたけど、年令を見たら白井さんと野田さん同世代じゃんね。栗山さんも。佐藤信さんや串田さんはもう一世代上なのか。更にその上が蜷川さんとか唐さんとかなのかな。

 

客として、公共劇場にどうあって欲しいかな。そうだねぇ、まぁチケットは安いと嬉しいね。てか安い席が必ずあって欲しいね。 

あと、素人が気軽に演劇をやってみる企画とか、作品(戯曲)の勉強会とかを開催してくれると嬉しいかな。

 

公共財。豊かな生活のために行政から提供されるサービス…利用したい人はハードル無く利用できる…我々は権利としてそれを利用できる。「需要が多いから」ではなく「それを必要とする人がいるから」提供される…こんな理解で良いのかしら?

「みんなにとって必要なもの」じゃなくて良い筈。スポーツでも何でも、「みんなこれ好きな筈だよね!あなたもこれ好きになってください!」と言われたり言ったり言わなきゃいけなかったりするの嫌いなんだよな。最近そういうの嫌いになっちゃったの。

 

なんかさぁこれを好きな人たちでやってることが普通に許容されて助成金も出てっていう状況だったらいいのになぁと思う。

無理に裾野を広げなきゃいけない、みんなに好かれなければ必要とされなければ存在しちゃいけない、みたいなのが苦しいよね😔

誰もが演劇好きになればいいのになんて絶対思わない。

 

公共財とは?「財の4つの分類」引き起こる問題点を分かりやすく解説! どさんこ北国の経済教室

「公共財」について勉強。

あれ?劇場って全然公共財じゃなくね?競合性も排除性もめっちゃあるじゃん。

 

「公共サービス」「公共事業」としては考えられるけどね。

「市場原理に任せていてはいけないやつ」ってことでしょ?

 

あ、そっか、11個の公演を、公共財かそうじゃないやつかって考えることはできるな。

チケ難にならないような公演だったら、左下の準公共財(クラブ財)であると言えるかもね。

 

「文化行政」の話。

https://geidankyo.or.jp/12kaden/node/166

 

「広場」とか「公共財」とかって法律の前文に書いてあるんだな。

てか、佐藤信さんが言ったからその文言が盛り込まれたのか?

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/shokan_horei/geijutsu_bunka/gekijo_ongakudo/pdf/h24_gekijo_ongakudo_jobun.pdf

h24_gekijo_ongakudo_jobun.pdf

 

ずっとこんなこと考えてたら、成河さん☺️

http://web-dorama.jugem.jp/?eid=1000

あのね、俳優がちゃんと学び考える姿勢や機会を持つことは必要だと思う。ギョーカイの喰い物にされないためにもね。

 

お、レポ出た。

https://natalie.mu/stage/news/474591