J’aime le théâtre♡

観劇日記。

リーディング公演『ローマ帝国の三島由紀夫』

初日。まさかの嬉しい追加予定でこれが今年の観劇納め&成河さん納め♪


三方の壁が銀色のホイールシート(風に揺れてる)で覆われた舞台。パイプ椅子がたくさん。スーツケースが2個。

後ろ壁のホイールシートの間から成河さんと七味さんが同時にヌルッと滑り込むように現れたとこからドキドキワクワクだった。

その後も役者たちはそういう登場の仕方。幻想・妄想・虚構の世界にスルッと入り込んで来るみたいだ。


本は手に持ってるけど所謂リーディング公演の域は全然超えてる。役者たちは1ページ読み終える毎にその紙を舞台上に撒き捨てていく。(途中、成河さん紙飛行機を作って飛ばしちゃうとこもあった)


なにこれ!?ってレベルで役者たちがマジで全員めちゃ強!!

七味さん圧倒的だし、SPACの貴島豪さん館野百代さんえぇ声なんてもんじゃないし、岩崎MARK雄大さんナイスヘンテコだし、武谷公雄さんがまたクセがすごい。

いや、あの、インパクトで言ったら成河さんがいちばん普通くらいな感じだったじゃん。とんでもねぇなこの座組み。

最前列ほぼどセンの席でザバッザバ浴びた!3時間たっぷり浸れて幸せだった(上演時間を最初に聞いた時はちょっとびびったけどw)


1幕は特にだいぶ声出して笑ったよー!なんかみんなおかしなこといろいろするんだもん。言葉に対する引っ掛かり方とか、茶々の入れ方とか、意味がありそで無さそなヘンなモチーフたち(ワイパー、親子丼、家禽カキーン、バラバラ死体の入った?スーツケース、バルコニー、ピクニック、ネコのラスカル、食糧品を狩りに行く、顔を洗いたい…)とか、マサハルとか人物設定がおかしいし(いやそれはみんなおかしいな)、ミュージカル風になるとこもあるし黒子が字幕持って出てくるとこもあったし(黒子の一人は演出家だったの?)

貴島さんの合いの手?ツッコミ?に結構笑った気がする(飄々とト書きを読むとこだな)。岩崎さん武谷さん(なんと武谷さんは劇団森のご出身!キノカブにも出てる!)は反則だし、七味さんも相当イッちゃってておかしいとこだらけだったけどね。七味さんはやっぱ存在の虚構みが凄いよな。ホントこの人が立ってるだけで周りに虚構性が生まれる。柿の"圧倒的なフィクション"だよ。

1幕ラストに立ち尽くして吐く台詞「風景も死ね」ってゾクゾクするカッコよさだった。

「成河の生っぽさと七味の虚構性の対比」みたいなツイートしてる人がいて、なるほどと思った。


地下


パイプ椅子の運転席に乗り込み「どんな川でも渡ってやる」ってキュンとさせられちゃうような色っぽく一途な言葉の後、外から窓を開けたユキコが振り下ろした斧で殺されてしまうサンボンギ。そして幕。


滅茶苦茶だけど、ローマ帝国とイタリア現代史と、ムッソリーニの演説と三島の市ヶ谷が重なったり、そうかその両者を繋ぐのがサロメなのか。"繋ぐ"って首と胴体を切り離しちゃう話なのにね。サロメはローマの地下で出会った擬似家族による劇だったんだよな。リーディングだから?ト書きを読んでる所為もあって"演劇"がフィーチャーされてる感じもする。""には三途の川イメージもあるのかな。"地底"には映画アンダーグラウンドも思い出したな。


サロメとヘロデの間に演出家みたいな成河さんが居る胸アツ。煙草ふかして。

新国立で視たシーンが蘇って熱かった。視といて正解だったな。だいぶ楽しめた。


成河さん台本に目を落としながらニヤニヤして笑いを堪えてるみたいな時がたまにあったね。七味さんの芝居とかに。おっもしれぇなぁーって思ってる感じで。あぁこれも客席を柔らかくする計算かな。

でも楽しそうだったな。すごく楽しそうに遊んでた。皆さんで。

成河さんと岩崎さん武谷さんは一緒にワチャワチャしてる感あったし、貴島さんには先輩を悪戯っぽい目で見てる空気の時があった。七味さんとは遠慮なくねっとりと絡み合える感じだったよね。


大人たちの空間だったな。風姿花伝で、この面子で、この空気。客席も。本気で遊ぶ役者たち。それが楽しくて笑っちゃう客たち。贅沢だなーって思った。


手を伸ばせば触れそうな至近距離で、カッコいい成河から生着替え"淡水パンツw"からもうありとあらゆる声を。「俺の、呼び捨ての、ユキコ」って少し照れたり愛おしさあるいは征服欲ダダ漏れだったりする艶っぽい呼び掛けとか。歌も。ラップも。

スリミ私っぽい「何?」とか、義経っぽい「何ぞ?」とか「よっく見守れや者どもー!」を思い出すような強い声とか、ルキっぽい「incredibile!」とか😆

冒頭の扮装くっそかっこよ!😍黒革ライダースに白シャツの胸をはだけさせてデニムにブーツ、髪はラフなオールバックで、脚組んで椅子に座って俯き気味にしてる時のお顔がハッとするほど精悍でハンサム!と思ったけどモンティっぽかったよね。

じっとりと低く喋る声(そう言えばジュダっぽいか)もたまんねぇ。もにょもにょ挙動ってんのも、振り回される系成河ちゃん(溜息混じりでちょっとと言いながらオイオイって顔したり少しだけキレ気味になるのはダグラスでよく見たかな?あれ?何か連想したなと思ったらフマの「すいませんねぇ清らかな罪悪感の中に居なくて!」だった)も良き。あ、そう言えば冒頭ユキコの独白を聴きながらだんだん苦痛を我慢できないように引き攣った感じで片目を瞑ったり顔を歪めたのには、スリミ成福トークで誠ちゃんに「あなたは執着がある」って言われてる時を思い出したよ瞬間的に真顔になるのとか。公威の時の良い子な息子みも好きだったななんかすげぇ嬉しそうにしてんの。


作品につかさん風味(俳優の熱と激しい音楽と鮮やかな青や赤の照明とかでねじ伏せる感じかな?)もあったから、それもちょっと熱かったよね。

なんかさ、"小劇場の成河"を観れた気がして嬉しかった。

成河さん、とても居心地良さそうにしてる感じするんだよな。これを立ち上げる過程の稽古場もさぞかしエキサイティングで楽しかっただろうな。


ナタリー記事より、演出の木村龍之介さん(カクシンハン主宰かぁ)コメント:

コロナの時代、演劇の再起動に必要なのは、現実を凌駕する強い想像力だ。そう思った時に、古川日出男さんのことが頭をよぎった。「本は、僕たちの内の凍った海を砕く斧でなければならない」と言ったのは、たしかカフカだったかな。古川さんの書く本はまさにカフカの言う斧だ。その斧が振り下ろされる時、僕らの凍った海は打ち砕かれ、生命への意志が目覚める! 再起動! ガツン!

成河さんをはじめとする強者の俳優陣と、リーディングにはおさまらないリーディングで、そう、斧のような演劇を作ります。


ほぉ斧ね。ふむふむ。


あ、作者古川日出男さんは村上春樹に傾倒してるんだって。なるほど。

へぇ平家物語の現代語訳とかしてるんだ。これは聞き捨てならない。買っちまった。

ヤバパンの木村さんの言葉シビれるな!


https://twitter.com/zangiri_mono/status/1476457672669265929?s=21

ほぉ!日置さん鋭い!


https://www.instagram.com/p/CYJqo6eFZXs/?utm_medium=twitter

https://www.instagram.com/p/CYL_9VnF4DC/?utm_medium=twitter

七味さん〜ソンソンって!仲良しいいな

成河さんホント楽しそう☺️稽古しててきっと楽しくて楽しくてどんどんやりたくなっちゃったんだろうな。写真見ると貴島さんに甘えてる感じとか広大くんみたいじゃんね。