J’aime le théâtre♡

観劇日記。

『検察側の証人』3回目

世田パブ前楽でMy楽。すごいよ〜今回3回とも招き猫電車だった😽


今日はI10番、マイアーズの席から真正面。

意図的に陪審員へ向ける顔だけでなく、本心の顔をいっぱい見れた気がする。証人や判事へ向ける横顔から、おそらく陪審員には見せたくない裏事情とか内心が垣間見えたよ。

ローマインを喚問して1幕が終わるとこなんて机の縁に手を突き前のめり体勢で証言台をグッと見据える好戦的な横顔だった。(そして2幕明転した時まったく同じ位置体勢表情なのさすが)


俺が全部教えてやる、俺の言う通りに、って検察チームのみんなには入念に仕込んでるよね、あれ。ハーン警部になんてチッていう顔でさりげなくノートの一部を指し示して「ここを言えばいいんだよ💢」みたいな。警部は完全にマイアーズの犬で。そういう打合せの時点で、監察医は扱いにくい奴だったんだろうなw


党からの圧力それが最後にやっとのことで思い着いて反対訊問の材料にできたことだったけどね。もうその時点で動揺を隠しきれなくなってたけど。


無罪の評決にバン!と両手で机を叩いて呻き声を漏らし敗北感に苛まれるが、立ち上がって机上のファイルをまとめる頃には冷静になり次のゲームって思ってたかも。今夜はひとり反省会だなきっと。

退廷直前レナードと目を合わせたらまた悔しさが込み上げてまん丸お目々を剥いちゃったけどさ、あーもう!って頭を振りウィルフレッドをチラと見てから去って行った。やっぱ自分がローマインを見誤ったことを悔いているようだったよ。


ローマインの落ち着いて事実を淡々と述べる感じが、マイアーズにとっては信頼のおける態度だったんだと思う。ウィルフリッドたちと逆。

マイアーズの人となりを想像しちゃうね。生れ育ちとか、法曹界を目指した経緯とか。あもしかしてジャベール?って、ふと思った。少なくとも苦学生とか田舎者とか一流大学出身ではないとか。

(あれ?ひょっとしてこの苗字ドイツオリジンなのか?いやいや、それもアガサのミスリード材料かも!)

あ、元々の戯曲だと検察官はモブキャラなのかもな。刑事と兼ね役でもいいとか書いてあるし。そこに成河さんをキャスティングしたのはきっと絵梨子さんの意図なんだ。元の戯曲ではウィルフリッドvsローマインがいちばんの焦点(ウィルフリッドの台詞にもあった)だけど、この演出だとやっぱりウィルフリッドvsマイアーズって言うか弁護側vs検察側の対等なチーム戦に見えるし、観客にもあなたはどちらの弁論を信じる?と問うているんだと思う。

"レナードみたいな男" "ローマインみたいな女"がどう見えるか、弁護側と検察側で異なる視点をそれぞれ提示してる。

どちらも心象・共感で攻めているという点では同じなんだな。

アガサ・クリスティの手元では、読者や観客はウィルフリッド目線である前提だよねきっと。(スルースの影響😅)


ウィルフリッドが休廷中の夜に作戦練り直しで、陪審員のローマインに対する(悪い)心象を利用しようとするのが象徴的。

1日目の最後、かなり不利な状況からいよいよレナードを喚問する前も、柔らかく落ち着いた年功者の雰囲気(マイアーズとの格差狙い)陪審員に語りかける戦法だった。(実際そこで結構観客がグッと惹きつけられた空気を感じた)

「誰(属性や雰囲気・イメージ)の言うことは信じるに足るものであり、誰の言うことはそうでないか」ということを共感で納得させる戦法。

そうだ、そう言えばマッケンジーさんに対する法廷の男性たち一同の反応がすごくあからさまだったよね。


「事実だから信じる」「真実なら信じる」みたいな会話が結構繰り返されてる気がしたけど、なんて意味不明で中身のない!

「あなたが真実を語ってくれるなら私もみんなも信じますよ」「僕の言ってることは本当です。だってこれが事実なんですから」とかって、すごく不毛な積み上げ。

だからさぁ、"あなたは何を(誰の言うことを)事実・真実だと思うんですか?"ってとこじゃーん。


あゝうん、そうだね「誰を信じるか」なんだわ。「この人の言うことはきっとホント」「こんな人の言うことは嘘に違いない」って我々は結局それを発言する「人」に対する評価無しには内容の判断を出来ないってことなんだ。


「愛するたった一人の人を殺したから、私は有罪です」ってローマインの最後の台詞、哀しい。ローマインにとっての"有罪"の定義。

crimeではなくsinという言葉が浮かんだ。


ホンも面白いし、芝居も面白かったなー

演劇、楽しいです❤️


はぁ、成河さんしばらく会えない

もう今年はこれで見納めなんて😢


https://twitter.com/masa_asano0327/status/1436655562247213059?s=21

うふふ😻


http://web-dorama.jugem.jp/?eid=976

成河さん今年通いつめた世田パブ楽の感慨、そしてアハハ😆思考が始まっちゃったんだろうね、劇場構造の話から日本人の精神性についてまで、後で加筆してくれた😁



9/28完走できましたね。やっぱり「良いお年を」なんだ。

そして演劇への思いを綴ってくれたブログ。

http://web-dorama.jugem.jp/?eid=980