J’aime le théâtre♡

観劇日記。

新春浅草歌舞伎

初日の松也くん口上で幸せに新年が明けまして、今月は浅草に通っております!

 

「十種香」

わぁ〜幕が開いた瞬間、お香の匂いだぁ!

八重垣姫、恋する女の子だねー☺️「お声が聞きたい!」って激しい義太夫が突き刺さった。いっそ蓑作なら良かったのに😔勝頼ってことになってから苦しくなっちゃう。それまではキャピキャピ恋バナだったのに。濡衣との女子トークシーンめちゃくちゃ可愛かったよ。

濡衣はどんな気持ちだったんだろうね…自分は愛しい人を失って、姫様を憐れと思いやる心もあったとは思うけど、真相を言ったらどういうことになるか予想もしただろうし…

すげぇto be continuedな幕切れw この先どうなるのか観たいじゃん!

 

「源氏店」

米吉ちゃん前幕とうって変わって色っぽい囲われ女。赤い糠袋と一緒に干してるのははーちゃんの手拭い🥰

はーちゃん綺麗だし色気あるけどな…歌六さんの方がカッコよく見えてしまうの何故!あ、与三は坊ちゃんが抜けない感じっていうことだからそれでいいのか。見染めの場も観たかったなー。

はーちゃん煙管を口の右端にくわえたお顔が美しい✨あと、柳が似合いすぎ😍

与三は手を付く時逆手で指先だけ付くのね。脚をクロスして体育座りみたいにするのかわいいなー。

松也くんの蝙蝠安はちょっと遠目だと男前が比較的気にならなくて(笑)、雰囲気作りや台詞回しの巧さが際立って感じられて良かった。五体投地みたいに平身低頭するの笑っちゃう🤣

 

「どんつく」

みっくんの踊りシュッとしてて好き!みんなに高速どんつくさせた後のソロでサッと場の空気を変えちゃうのがたまらない。

そしてお見事グレイテスト・カショーマン✨✨

種之助くんはニコニコちんまり座っててかーわいいー🥰

はーちゃん大工と米吉芸者のペアダンは、はーちゃん色っぽくて米吉ちゃんに惚れられてるのがありありと見えて良いねー。

後ろで見てる皆さんが公演を重ねる毎に楽しいムードになってきてて私たちも楽しい♪

 

「熊谷陣屋」

これ、もの凄い人間ドラマだ。

かしょさん熊谷…出の瞬間からなんて悲痛😭袖の中で腕を組んで、数珠を携えながら歩いてきたんだね。腕を解いた時に数珠が刀に当たってカチッと音がしてハッとして、武士としての自分に立ち返った😔振り切るように数珠を袂に仕舞ったね。

首を相模に差し出しながら義経の死角で頭をそっと撫でるところでいつも泣けてしまう😭「十六年はひと昔…」の時はかしょさんもダダ泣きしてるからもぉ…😭

相模(新悟ちゃんめっさ良い!ツライ😭)と藤の方(登場からずっと感情はち切れんばかりなまるるの表現好きだよ!)は主従だけどママ友みたいな関係性もあるよね。

そして義経と弥陀六(これも歌六さんめちゃカッコイイ)のドラマも凄まじい。みっくん義経が「堅固でいたな、満足」と言って見せる一瞬の破顔に、何と言うか酷く"ピュアな怖ろしさ"を感じてしまった。弥陀六が生きてて嬉しい✨っていう屈託のない笑顔なんだよ😨弥陀六はあんな気持ちでいるのに…

「花を惜しむ余の心をよく汲んでくれた」みたいなことを熊谷に向けて言った時もゾッとしちゃったよね…

去り際、相模と藤の方が「御縁のあらば」と、熊谷と弥陀六が「命のあらば」と言いながら互いに会釈するのたまらん😢

敦盛が成長して平氏再興の兵を挙げたらどうする?って…その時は熊谷も還俗するし弥陀六も「心の還俗」するし義経は「受けて立つ」みたいなこと言ってた…すごい歴史ifだよねさすが並木千柳!史実の義経の行く末を思うと切ないなぁと思ったけど、いや、梶原亡きこの世界線では義経と頼朝の関係はどうなっていくんだろうか。

熊谷、武士を捨て僧になって、見る景色が世界が一変したんだな。幕外で慄くようにグルッと見回してた。子を悼み自らが為したことを悔やみ…めちゃくちゃ苦しんでいくんだろうこれから😔最後の笠に隠れて慟哭しながらの引っ込み😭

しかし相模…相模が可哀想すぎるよ😭熊谷別れの時にも目を合わせないし…

 

「流星」

種之助くんかーわいいー🥰

七三で前傾姿勢でキマる形大好き!

駆け抜けて鳥屋に消えていったね💫

清元にけんけんパパとお兄ちゃんいらっしゃいましたね。

 

「魚屋宗五郎」

うわぁ松也くん白塗りじゃなくてもこんなカッコいいんだ(動揺) 煙管をくわえる時の唇と言うか口の動かし方とか色っぽいし😳

花道からの最初の登場時…妹を亡くした悲しみに沈んだ空気を纏って出てきた。

抑えて抑えて、堪えて堪えて、酔う前はとても理性的で、家長・親方としての威厳もあるし、でもあぁそっかやる方なく自分を責めてるんだなというのが悲しかった。

そこへ酒とおなぎさんがやって来てコメディになっていく!あれ、もしかしておなぎさん話ちょっと盛ってません?w 拷問とか「たぶさ取って」とか果たしてホントなのかなぁ?おなぎさんの調子乗り気味な語りとみんな眉を顰め声を揃えての「えーっ!」ていう反応でどんどんコメディみが!酔った宗五郎に絡まれるおなぎさんの佇まいもサイコーに好き。困った顔つきでいるけれど心の中で「めんどくせー」って悪態ついてるに違いないよねと思えて可笑しくて仕方ない🤣あと、おとっつぁんの「おぃおぃ呑んでるよぉ」が毎回絶妙でツボっちゃう🤣三公の可愛いさと、おはまさんの世話女房っぷりも楽しくて…このシーンがじめっとした家庭内暴力みたいに見えずケラケラ笑えちゃうのは皆さんのチームワークなんだと思う。

新悟ちゃんのおはまさん頼もしくていいよなぁ🥰花道の引っ込みカッコイイ!松也宗五郎に物理的にも負けなさそうで良いコンビ。ふたりの掛け合いは本当に面白く聴いていられる。暴れ込んだ(この「暴れ込む」ってワードなぜか好きよ)お屋敷の玄関でおはまに気づいた宗五郎が「あ(悪戯っぽく見ぃつけた♡って感じで)、おめぇはかかぁ」って子どもみたいに嬉しそうにニッコリするのサイコーに好きだし、膝枕の寝顔はズルい😍

宗五郎酔って崩れるけど、妹を斬られた理不尽を抱えてるからね…ご家老への言い立てには正気も入ってるからおはまもホロリとしちゃうよね。

磯部の殿様も、お蔦を斬ったのは武士として仕方なかったのかなぁ…はーちゃんが家話で言ってた、お殿様は謝らないっていう話にもやっぱそうかぁと思ったわ。現代人の感覚だと情を込めたくなっちゃうけどそれは違うんだと。

かしょさんご家老の、赦せば恨みも忘れてくれるだろうという心は沁みるけど…

でもねぇ…悪人滅び善人栄えとか、堅固で暮らせよって言われてもねぇ…

町人と武士の言葉(リズムも)が全然違って、ご家老が話すとき風雅な三味線と笛なんか流れて宗五郎うつらうつら船漕いじゃう、そんなことも印象に残る。

門番たちが宗五郎にお水あげたりして優しいの良いなーと思うし幕引きの時も彼らがめっちゃいい笑顔してて好きなんだけど、でもね、これって実はこの物語のやるせないところでもある。門番たちはすごく素直に「めでたしめでたし」と思ってるんだよね。うちの殿様お慈悲があって素晴らしいなぁくらいに思ってるのよきっと😓

殿様も確か「好きな酒で」とか言ってたよね?同じ"酒の勢い"でも宗五郎は可愛げで済むけど殿様のは人ひとり殺しちゃってんだから洒落じゃ済まない。おぅ!武士よぉ!😡

 

松也くんの目線や細やかな表情の芝居大好き!

松也くんにはカッコイイお役がよく似合うと思うの。道化の演技もできるんだけどさ。

色悪みたいなのも観たいし、時代物の大きさが必要なやつとかも絶対良いと思うから観たいなぁ。

 

浅草公会堂のすぐ傍で河竹黙阿弥住居跡の碑を見つけてテンション上がった。せっかくだから猿若町辺りへ足を伸ばしてお散歩してみた。市村座は魚屋宗五郎初演の地。五世菊五郎の「酒乱の役を世話物でやってみたい」という要望に応えて書いたんですって。この道は黙阿弥の通勤路だったかもしれないなーとか思いながら歩いた。あ、浅草公会堂の定式幕は市村座と同じ黒・萌黄・柿なんだね。