J’aime le théâtre♡

観劇日記。

新作歌舞伎『流白浪燦星』

初日のワクワクに溢れた客席で観れて楽しかったー㊗️

テンポ感とかまだまだこれからだと思うし、ワイヤーが下りてこなかったり台詞がちょっと怪しかったりっていうのはあったけどね。

大向うさんがたくさんいたのも初日ならではかな。盛り上げてくれたし、3階から見えない花道に誰が出てきたか判って助かったりもしたわw

 

いきなり義太夫っぽく始まった!ルパンと次元、不二子ちゃんの登場…なんか三人吉三みたいじゃなかった?浪花鑑か?

そして楼門の五ェ門!待ってました!

絶景かなの南禅寺三門、昨春の京都旅で訪れたのよ懐かしい。そう言えばあの翡翠色の蓮の花?のオブジェみたいなの!見覚えある!

 

本水ってさー、ホント無茶と言うか、わざわざ濡れに行くんだもん笑っちゃうよな。でも水が滴るとカッコイイって何なん!?この感性が江戸時代からずっと続いてるってなんか凄くない?いやホント素晴らしいエンタメ!お客さんに向けてバシャバシャやるのもお約束w

 

最後は白浪五人男だもんねーカッコイイ!!

籠釣瓶っぽい不二子ちゃんの花魁道中キレイだった。

歌舞伎のカッコイイとこと、ルパン的に見たいもの聴きたいものと、ちゃんと入れてくれてる(タイトルバックとかもサイコー)。

はい愉しい〜💕

拍手いっぱい👏

 

松也くんカッコイイよぉ〜🩵

歌舞伎の白塗り松也はやはり美しい✨

本水の立廻りも甚だよろしかったし五ェ門の拵えめっちゃ素敵だけど、ラストの五人男はまた衣装から立ち方から傘の持ち方からもぉ爆イケだった〜😍

褌一丁姿もごちそうさまですw

そして、とうかぶぶりの新橋演舞場でまたしても愛するけんけんを手に掛ける悲しい別れじゃん!エモエモ〜🥰

「つまらぬものを斬ってしまった」の台詞は終盤にやっと出て、待ってました!だったよ🩵

 

あ、忘れちゃいけない鷹之資くん!最期の見せ場とかすっごい良かった!そうそう、ちょっと小金吾っぽかったよね。

動きが本当に綺麗。声も良い。

いやぁ皆さん声の良い役者ばかりだけども。

 

そうだそうだ!牢名主に寿猿さん!寿猿さんを観るとみんなめでたい気持ちになって拍手しちゃうよねー。

 

やじゅさんも。猿弥さんも。

二幕初めにだんまりの解説をしてくれたマモーは千壽さんね。雌雄の刀がルパンの手から奪われたってこの解説のおかげで分かったよw

 

五人でカテコ出てきて三方礼なんてしてくれて、松也くんのお手振り笑顔が見れたわ🥰

 

新橋演舞場にルパン参上! 『流白浪燦星(ルパン三世)』脚本・演出の戸部和久インタビュー~新作歌舞伎に込めた思い | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス

そうだ!ニギハヤヒ?けんけんの2役目は、アマテラスに負けた出雲系の神様なのかなぁと思ってたんだよ!(最近出雲大社にお参りしましたのでね)

鷹之資くんの役名はスサノオと関係ある?

そっか、花魁道中の音楽は不二子ちゃんのテーマ曲ね。

あぁ寿猿さんのシーンもある作品のオマージュなのか。

あと、だんまりってそもそも何かを奪い合うシチュなんだね。

バランスの話…どうだろう、私はルパンや銭形の台詞回しとかそこまでアニメに寄せなくてもいいんじゃないかと思った。そういうとこも探り探りなのかな。

 

でもさ、芝居なのにさ、見たことないもの!じゃなくて、言わば "見たことあるもの"に喜んでるじゃん?考えたら奇妙じゃない?

でもそれが歌舞伎だよな。ルパンという趣向で歌舞伎を観てるんだな。

そうだよね、みんなが知ってる話を上演するってまさに江戸時代の歌舞伎だよね。

俳優が出演した他作品(TVドラマなど)を引き合いに出して笑いを取る場面も多かったけど、そういうのも歌舞伎らしさかも。

 

そっか、糸星/伊都之大王って魏志倭人伝の伊都国…糸島か。大和朝廷以前の国。

スサノオオオクニヌシの出雲王朝は大和に "国譲り"をした、たぶん韓国(からくに)からの渡来人。

『楼門五山桐』の五右衛門は、真柴久吉の朝鮮出兵で討たれた明国の宋蘇卿の息子であるという設定。

猿弥さんのカラクリ屋は唐句麗屋銀座衛門で異国人(異星人?)ぽいし、久吉の朝鮮出兵が止まって良かったねという幕切れだった。

深読みかもしれないけど、つい最近『外地の三人姉妹』を観た影響かもしれないけど、この芝居には、我々が歴史の中で蹂み躙ってきた人たちが多く登場しているな…と思った。そういう人たちにスポットを当てている。

そうよねそもそも白浪物ってアウトロー視点。

 

あゝ…糸星ちゃんは身を以て日本破壊を制してくれたんだよな😢怒りと報復の連鎖を何とかしたいという思いは、現代の我々にこそ刺さる。

 

ほぉ、ニギハヤヒ磐船神社(生駒の山中)に祀られてるけど、ここに降臨して神武以前ヤマトに君臨していたと。墳墓も生駒にあるらしい。侵略された先住の王だ。

我が国はこういう歴史の上に建ったのだ。いろいろと都合よく書き換えることは記紀の頃から行われていたようですがね。

戸部さんも仰っているように、負けた側の物語を描き彼らの存在を思い出すこと=鎮魂…芸能の役目。そして平和な世界を願う。

鷹之資くんの役名 長須登美衛門は、ニギハヤヒの妻 登美夜毘売インスパイアードか。(その子が物部氏の祖となった)。

登美夜毘売はちょうど先日刀剣の旅で訪れた石切劔箭神社に祀られてる…てかここのご祭神ニギハヤヒだったじゃん!うわぁ御縁〜😳

長須は何だ?と思ったら長須泥毘古…登美夜毘売の兄。ニギハヤヒに仕えて神武と戦った人だ。神武に恭順するためニギハヤヒに殺されてしまう…。

あ、そういえば背景に八坂神社って描いてあったのはどこのシーンだっけ?八坂神社(祇園さん)はスサノオを祀ってる。

畿内にも全国的にも出雲系の神様を祀った神社は多いし、菅公とかもそうだけど失意や怨みのうちに死んでいった人たちって確かによく祀られてる。祟られたくないからなんだろうけど、そこには共感・可哀想だなって思う気持ちとか、悪いことしちゃったなみたいな気持ちとかが働いているよね。抹殺してまるで無かったことにして歴史の闇に葬り去るのとは大違いだと思う。そういう精神性が古来日本にはあるのかな。中国や西欧ではどうだろう?

なーんてことを考え始めて、そんな視点でもルパン歌舞伎また次回観るのが楽しみ!