初日。
スズナリでまたこの御三方に会えるのは嬉しいけど、
いやー苦しかったキツかった。
17歳ってあんなに分別ないかな。無力かな。
冒頭からずっとものすごいテンションでストレス掛けまくられてこちらも吐きそう。
いったい何やっちゃったの!?とヤキモキ。
概念的なことだったらいいな…と思ったけど具体的な犯罪だった。
あまりにも劣悪な境遇に育った、あまりにも知性の無い少年たち。
どこか架空の街の…ではなく具体的な地名で語られるし、私たちと同時代の話だし。
美術が抽象寄りだから最初は寓話っぽく見えたりしてたんだけど、そうではないんだなとだんだん分かってきて。
かと言って、地方都市の貧困や閉塞感を取り上げている社会派作品というような手触りでもなく。
若者の普遍的な問題として?でもそれにしてはあの3人はあまりに酷すぎる。私と離れ過ぎてるだけ?うちの息子たちだって絶対こんなじゃないと思うし、でももしかしたらこんな世界と紙一重でちょっと間違えたらこんなんなっちゃうとしたら怖すぎると思った。
「30代が10代を演じるときに」玉置玲央×永島敬三×田中穂先『MUDLARKS』鼎談【後編】 | ローチケ演劇宣言!
あ、なんかこれ読んでちょっと腑に落ちた。
観ながら、なんで脂の乗った年齢のこの人たちがわざわざこんな少年の話をやってるんだろ?って思ってたもんな。
抜け出せないこと、放置すること、潮が満ちてきて水没してしまうこと…
本当に悍ましい世界だと私は感じる。彼らの世界と自分との距離を測ることが、この劇の感じ方の一つかもしれないね。
アフトの時、お客さんの顔を見てグッときちゃってしばらくの間後ろ向いて照明の数を数えてた穂先くんと、それを自然にさせておく先輩たちが愛おしかった。穂先くん、すごく彼自身と乖離した、負荷の掛かる役をやってるよね。そういうことかな。
ねぇちょっとこれ酷くない!?理解できなくない!?っていうのを作り手も感じてるんだなと思えたことが私には救いになったけど、俳優たちはもしかして観客の顔を見て同じことを感じたかもしれないよね。お互いに安心したのかも?