「物語なき、この世界。」三浦大輔が斬り込む“物語で人生を彩るというエゴ”、岡田将生・峯田和伸・寺島しのぶが語る思い - ステージナタリー 特集・インタビュー
これ読んでね、あ?これ観るべきでは?と思ったの。「人はなぜ物語を求めるのか」とか言ってるしさ。
で、いま森フォレというちょっと過剰な物語を喰らっちゃってるからさ、反抗してやろうと思ったの。
これがまた、ポツドールの三浦大輔さん作演だって言うからさ…そう、成河さんが王子小劇場の思い出で話していたポツドール。
この時点で私の中で物語を作っちゃってることは認めます、はい。
そうね、この作品/俳優(演出家)に、何かに導かれるようにして出会った…っていう物語は描きがちな私。
1幕(たった45分)の間たいしたことが何も起きず(それまでの内容を峯田さんがギター弾いて歌にしたら何となく物語っぽく感じてズルいなぁ音楽って思えちゃうくらい)、最後にやっと物語が始まる気配。休憩後の2幕が1時間40分だったって、このバランスを後で知ったけど、体感では1・2幕が同じくらいだったよ。
2幕からはメタ的な感じも含みながら三浦さんが言ってたような主題が展開されていって、でも勿論それはれっきとした物語で、観てる感覚としてもなかなか面白い体験だった。メタの部分にも物語についても同時に反応しちゃってた感じ?
「物語ハラスメント」ってフレーズが最高に気に入った!
出来事と理屈だけ。
観終わって、なんか元気出たぞ。
他人の物語に呑み込まれない強度をもった、圧倒的な日常を生きる!って思った。
そうよ何だって物語になっちゃうんだから。他人の物語に乗っかったり陳腐な物語で妥協するくらいなら、物語なんかにならねぇ圧倒的な日常を生きてやる。
「S席1.1万円払って“物語はない、出来事だけだ”と説教される3時間。よかった」とツイートしてる人がいて笑っちゃったけど、うん、私これ観劇生活の中でけっこう考えてきてるんだよね。要は世界をどう切り取るかってことだとか。"歴史"だってHistoireだぜとか。
音楽ってやっぱヤバいね。あっという間に強い物語になるもん。
ミュージカルなんてホント最たるものなんだわ。
柄本時生くん演じる田村の、こういう感じのシーンになるねみたいな、エンタメに詳しい感じw
峯田さんだったかな?こんだけ映画とかみてんのに今の気持ちはその中のどれとも違う、という台詞も良かったな。
寺島しのぶさん演じるスナックのママにあまりにも"真ん中力"があってね、ママが語り出した"物語"の力は凄かったし、そこら辺りから主役の2人完全に脇だし、その後ママと警官(ポツドールの米村亮太郎さん…城山羊に出てた!)のシーンになったらあれもうエキストラになっちゃってたよね。(岡田将生くんキラキラをちゃんと封印できるの流石だ)
でもね、あのね、物語大好きなのよ私。
"よくできた物語"が好きよ。作品評価においては絶対に重視する。そして、観ていて物語を自分の中でどんどん膨らませられる作品にハマるよね。台詞の行間とか、ホンには書かれていない背景とか、人物の裏設定とか、そういうの大好物じゃん。
現実はホント、物語みたいに良く出来てないから残念だよと思ってる。
で、物語を見つけよう見つけよう(見つけさせよう)とする態度って好きじゃないのかも。
感動の押売りとか御涙頂戴(それこそまさに「物語ハラスメント」だよね!)は大嫌い。
森フォレに反抗したくなったのは、何かな…
物語を求めてる人の話だからかな。
あのさ、そもそも自分が"登場人物"なのって嫌だよね。その世界その筋書きから逃れられない、誰かが書いた物語の登場人物だなんて嫌じゃん。作家じゃないと。でもまぁ出演もせざるを得ないから、作演(演出もするよね)兼主演か。あるいは、気に入らないホンなら降りるわ、って大物女優か!笑笑
作家は作家で、凡庸な物語しか産み出せないという苦悩はあるだろうなぁ。あれ?意外と大物女優最強じゃね?
社会のシステムとかそういう、なかなかどうにもならんことありますよ。だから完全新作を捻り出そうとするとアルベールとか幽月さんとかになっちゃう。そこは軽やかに自覚的に乗っかって、強靭に。
あぁ、うん、森フォレに反抗したくなったのは、物語から降りられない人たちの話だからかな。
あとまぁ、物語が過剰(強引)だよねっていうのはあるわね。"こういうの好きなんだろ臭" を感じてしまうのかな。(歌舞伎だと許せちゃうのは何なんだろうw)