J’aime le théâtre♡

観劇日記。

国立劇場 歌舞伎『一谷嫩軍記』

昨日初めて国立劇場の歌舞伎を観に行ったから記録しておく。

歌舞伎座とは雰囲気違うね具体的に言うと華やぎと客層。

立地や建物の趣からしていかにも国立!という落ち着いた感じなのは特に欠点ではない特性だと思うし、物販の賑やかさとか食事処の充実ぶりとかは歌舞伎座と比べたらまぁ違うでしょうよと思うけどね、ひっそりしちゃってる理由はそうじゃなくて、単純に客の入りが悪すぎる。驚くほどガラガラなのよ。座席ほぼ100%で売ってるけど、ほんとポツンポツンしかお客さんいない…¥3,5003階席でさえ。初日なのに。前日に歌舞伎座初日に行って普段よりお着物率が高かったり職員さんの気合いの雰囲気も込みですごく"華やぎ・賑わい"を感じてたから余計に思ったよね。わーやっぱ営業努力って大事じゃーんと思っちゃった。

場内に無料休憩所があって幕間にそこでお弁当とか食べれるようになってるんだけど、考えたら幕間35分も取ってるおそらく従来どおりで、座席100%販売もそうだけど、顧客・社会の動向とかあんまり注視してないなーという印象を受ける。

探ってみると、良い役者を松竹が貸さないみたいな大人の事情もあるの?でもまぁ松竹だって自分とこ優先で考えるのは仕方ないよねぇ今こんなギリギリの情勢でもあるし。

客層というのは、なんかウザそうなジジイの客が目立った気がしたんだよな。


演目は『一谷嫩軍記』

千本桜と同じ並木宗輔作なんだね。平家物語インスパイアード想像力モリモリ歴史フィクション。まぁ見事よ。でもやっぱ子が犠牲になる話は苦しいってか嫌〜な気持ちしちゃうよねって、木ノ下センセに倣って積極的に言うことにする。

よく聞く「熊谷陣屋の場」の前の「御影浜浜辺の場」が上演されるのは50年ぶりらしいとか、熊谷陣屋も通常カットされる"入り込みからだったり、上演機会の少ない"芝翫"だったり、一応そんな触れ込みを読んで観劇を決めたんだったよなー。

子午線には敦盛のシーンは無かった(初演ではあったかも?)けど一応履修してるからだいぶ助けになってると思う。人間五十年〜の敦盛は出家した直実の心情なんだね。あ、終盤出てきた義経に成河さんを重ねてジワっときちゃったのは内緒!(あれ、はーちゃんパパだったんだ😆)

中村芝翫さんはお声があまり良くなかった。調子悪かったのかな?声量はあるけど、なんかかすれてるような、がなって出してるような、耳心地の良くない声だった。そういう役なの?綺麗なお顔でシュッとしたイメージ(橋之助時代かなその頃よりだいぶ太ったよね)があって、こないだTVで『お江戸みやげ』のばばあ役を見て意外に感じたりもして、きっと立役はビシッと美麗なんだろなーと思ってたから、いや姿は申し分ないけど、声が残念だった。

やっぱ役者は声大事だよね。そう言えばみっくん飛び抜けて声デカかったな。猿之助さんの声は高めで表情豊かでいいよなー。松緑さんも聴きやすい。はーちゃんはちょっと声が細いかなぁ。けんけんはお嬢吉三の時の声が最高に素敵で惚れたよね。

あぁこう考えると、ガツンと惚れるいわゆる"落ちる"時って声が決定打になってるかもしれない。成河さんも玲央さんも。成福もあのハーモニーの気持ち良さにやられちゃったとこあるもんなー。