J’aime le théâtre♡

観劇日記。

吉例顔見世大歌舞伎 第二部

御縁あって初日を鑑賞。


お目当てはみっくんだったんだよね。お父様の三津五郎さん七回忌追善狂言『寿曽我対面』で、三津五郎さんが襲名の時に演じた曽我十郎役をみっくんが初役で務め、他の出演者も縁の方々らしい。

定式幕に続いて浅葱幕が落ちるとそこには威厳たっぷりの工藤(つい先月は面白おじさんだった菊五郎さんだ!)はじめ大名たちが大勢居並び、一瞬でパッ!と壮麗なビジュアルが広がる。やがて曽我兄弟も登場し、兄弟の衣装の水色と赤を初め、舞台全体の色彩がホント素敵に印象的だよね歌舞伎は。

そうそう、ラストみんなが決めポーズで揃って絵画みたいに終わったのカッコよかったね!"絵面の見得"って言うんだってー。

みっくんの十郎は登場した時から床は踏み鳴らすしずっと鼻息荒く血気に逸る猛犬のようで(三方バキバキ壊しちゃうし)、五郎や朝比奈(不思議でヘンテコな強者松緑さん声が良いね)に抑えられ工藤にも気遣われ、はいよく我慢して"待て"ができましたね〜って感じ。「稚気」という言葉で表現するのね。みっくん荒事が似合うなーお顔も。ボンちゃん思い出しちゃった。声良し。

今日のお席は3階上手端だったけど、上手側美味しかったんじゃないかな。プイ!って顔を背けながら酒を注いでもらう時とかめっちゃこっち向いてた。


思いのほか短かくて40分くらい?で『対面』終わっちゃって、休憩挟んで『連獅子』まぁゆるゆる観ましょと思ってたんだけど、これが!予想外に!

仁左様と千之助くんの親仔獅子が!なんか知んないけどあまりにもカッコよくて腰抜かした!!あたしが目回してどうする!

千之助くんの踊り、若さ弾けて瑞々しくて、力強い&もんのすごい綺麗で、グイグイ惹き込まれた!それを美しく受け止める仁左様!終盤の毛振りの時なんか涙が込み上げてきちゃって、熱くなってずっと拍手して、めちゃくちゃ興奮したんだけど何なんあれ!?毛振り見てアドレナリンとか出るもんなの!?いったい私の中の何があれに反応したのだろうか?あれを佳きものとして受け取るレセプターが自分に備わっているって驚きだよな。客席は初日の盛り上がりもあったんだと思うけど、いやー面白い体験だった。ビックリした。


へぇ、江戸の歌舞伎の1年は毎年11月の顔見世興行から始まってたんだって。各座の今年の所属役者をお披露目する「顔見世」なんだ。櫓が立ってたのも「芝居の正月」だからなんだね。まさに11/1歌舞伎座へ行けたなんて嬉し!

まるで歌舞伎のドラフト会議!江戸時代の一大イベント「顔見世」がアツい、アツすぎる!! | 和樂web 日本文化の入り口マガジン