J’aime le théâtre♡

観劇日記。

『蜘蛛女のキス』東京前楽

やっぱりどうしてももう一度良大くんのバレンティンを観たくて急遽のリピチケでマイ楽。

2階最前ホントにどセンだった!


昨日ばっち見たとこだからね、ちっちゃ!w看守櫻井さんとのバランスもベッドにちゃんと収まるのもいいじゃん。かわいい

けど、なんか男っぽくてね!顔つきとか声(結構がなるような声も出してた)とかトータルで。ドキッとしたんだよ😳


良大バレンティンは最初からモリーナのこと正面きってまじまじと見てたなぁ。無邪気なオープンさは中の人のものかな。ちゃんと"出逢った"感じだった。まぁ疑ってもいたけどね。本に目を落としててもモリーナに気を取られてるの何となく分かっちゃうくらいだから、これはモリーナちょっかい出したくなる。拒絶して境界線を引いたり「地獄へ堕ちろ」(←これはきっとゲイに対する罵声の定型なんだろうね)とか言ってるけど実は興味持ってる。


やっぱり芝居が細やかで情報量が多くて見応え・満足度が高い。オーロラの映画のシーンでは脇で絶え間なく受けの芝居(口パクで独りごと言ったりモリーナと会話したりとかも)をしてて、"映画への反応とか変化していく様子が見えるのがホント面白くてずっとバレンティンばっかり見ちゃう。

ムービースターの歌のコミカルさ最高!もうバレンティンのリアクションがサイコーだからオーロラたちももっともっと盛り上がりたくなるよね!

鳥の楽園の時、私はバレンティンのポンポン痛い(吐気も酷い)のが紛れますように!がんばれ!のつもりで手拍子してるよ

タチアナの映画の時なんかさ、中の人もそうだからだと思うけどさ、映画好き過ぎてかわえぇ〜めっちゃ前のめり!あの調子だと最後にはべしょべしょに泣いても良さそうだったけど革命の理想を思い出して真顔で考え直すんだよね。

モリーナとの軽妙な遣り取りもホント自然でね。幹二さんも楽しいんじゃないかな。きっとお互いにだね。

良大くん台詞がとても明瞭に聴こえるのも、よく言われてることだけど改めてすごい。

そう言えばテーブルの蝋燭が消えるハプニングにも、あぁ消えちゃったってごく自然にマッチを擦って点け直す見事な対応。


そしてね、今日は良大くん歌がめちゃくちゃ良かったんだよ!

ギュウギュウ詰め拷問中に歌うマルタの気配の歌とか、革命の歌の歌い出し部分(神に感謝するのをやめるようになるの悲しいね)とか、高音で且つ音程が難しいところも今日は格段に良かった!少し強めに発声してた?芝居とより一体化したのかな?一所懸命に音を取ってますという感じが全然しなくなって、バレンティンが歌ってる、いや、バレンティンが語っているように聞こえたよ。素晴らしい。ファルセットも本当に綺麗で、伸びまで素晴らしくて、ばっちと比べて思ったのかもしれないけど、あれ?良大くんの歌声好きかも!って思ったよ。

いやー今日はマジで惚れ直したわ。心置きなくマイ楽にできる。


でも作品についてはまだまだ考えたい。


オーロラが最初に出てきた時の歌って「ジプシーが私の運命を予言した」という歌だったね。「命を賭ける愛に出会う」と。

で、映画の夢を語るムービースターの話からの、鳥の楽園は南の島?へ独り辿り着いたオーロラが恋人の逃亡先について口を割らないためにケセラセラって感じで歌った歌みたいだし(男の行き先を言っちゃうのか⁉︎ってバレンティン気にしてたよね)、まさにモリーナの運命。タチアナのgood timesモリーナの死に様の予見だしさ。


バレンティンモリーナを打算で利用したのかどうかについてはね、うぅーやっぱ最後の夜のシーンずっと見ててもわかんないなーてか、何だってやるの歌に入る直前まで、真心で接してるバレンティンにしか見えないもん。

おめでとう、寂しくなるよ、いやホントに寂しくなるしんみりとそんな遣り取りをしながら、見た目は本当にその言葉どおりのことを思ってるように見えたけど、それは本心に違いないけど、でもその片隅で「この場合に活動家としての俺が取るべき行動は」って考えを巡らせたんだろうか。

で、頑張って、伝言してくれないかという言葉を出したのか。

あんなに映画にハマってた姿も見てるから余計に、良大バレンティンはここまでモリーナに助けられてきたと思ってるよね、感謝してるし特別な相手だと思ってるよね、って私たち観客にも伝わってる。

「今夜触れ合えれば」も「したいから」も「二度と自分を蔑まないと約束してくれ」とキスも、真心だったと思うんだよ。それがたまたますべてモリーナを利用するためにも有効な事になってしまって、むしろそのことが悲しいって思ってる。

勿論、だったら伝言を頼んだりなんてしなければ良かったじゃないかってことになるし、見送った後「頼むぞモリー男になれ!」なんて言ってるからね、それはやっぱり信念のためにやるべきことだったんだよね。

モリーナは「出所させるから」と所長に持ちかけられた時から、バレンティンのために死ぬことを決意してたのか。そう言ってたかも。何か彼のために役に立ってあげる、そのことに命を捧げようと。ママには一目会いたいし。

そうか、つまり、モリーナとバレンティン、したいことがすべて一致しちゃったんだな。歯止めが掛かる要素が無いわ。


今日観ながら、あゝモリーナは自由を手に入れたのかなって、初めてちょっとだけ思ったんだけど。どうかな。

「あなたが変えたのよ私の人生」って…(バレンティン、ピンスポ当てられて照れながら前へ進み出てきてたね)

Viva世界のすべて」って

映画スターみたいに死ねたのは誇らしかったのかな。せめて死に様を自分で選べたのは、自由を手に入れたことなんだろうか。


「あんたあたしを悪い方に引っ張ってる。あたしを男にしようとしてるでしょ」「地獄に堕ちろ」「もう堕ちてる」ここら辺の遣り取りも痛いよな。

ふたりとも、自分の""の中に居たいけど、まずモリーナが引き摺り出され、最後にはバレンティンも引き摺り出されたね。

あゝモリーナは自分から出て行ったのかな。

いや、結局映画のように死んだんだから、モリーナは出て行かなかったのかな。

「その名はモリーナ」って、みんな讃えたのか?いや、「その名はオーロラ」と重なっただけだ。


だからさ、"命を賭ける愛に出会う" "愛に命を捧げる"というモリーナの夢は叶った訳だけど、これがモリーナの夢だったってことが哀しいんだよな。

でも、どんなんであれ、自分が望み選び取ったとおりに人生を生き、死ねるというのは、幸せなことなんだろうか。尊いことなんだろうか。

でもこれは本当にモリーナが自分で選び取ったのだろうか。選んでいるつもりでも実は、世界とか構造によって選ばされているのではないだろうか。バレンティンも、所長も、みんなそうだ。まるで刑務所に入っているみたいじゃん。

この壁を越えたところにある新しい世界、違う世界、進歩した世界、佳き世界を夢見るけど。


ふと思うけどね、幹二さんと瞳子さんは本当に素晴らしいよなー。この二人で世界観を成立させてるもの。考えたらこれは凄いこと。敬服。

瞳子さんは圧倒的なスターオーラ(あれは演技だけで出せるもんじゃない)が見事なのに加え、タチアナの"ハリウッドのお約束映画"っぽい大根役者ぶりとかツボだったし、蜘蛛女さえコケティッシュというかちょっとコミカル味が出てる時もあって魅力的なんだよな。脱獄でヌーッと身をかがめて覗き込みながらでてくるとことか、蜘蛛女のキス曲前のダラーンとした感じもそうだし、あとモリーナがガブリエルに振られた時ベンチにちょこんと座ってる様子とか。素の瞳子さんを滲み出してる感じかな。

幹二さんも素のチャーミングさがあるからモリーナの造型が嫌味にならないんだよね。バレンティンの良大くんやばっちとの間でどれだけそれを自然に出すことができるかってとこで、初日以降どんどん良くなっていったんだと思う。そう言えば前楽では境界線とこで白鳥の湖踊ってたなw


モリーナとバレンティンの相克・葛藤を見ていると、人って多面的だし揺れるものだよな、と思う。

面倒くさくなくシンプルに生きたい(ファシズムはここに付け込む)ために、夢や信念を手に入れて大切にするんだけど、世界はそんなに単純じゃないし相容れないもの・邪魔するものにたくさん出会う事象・他者・自分の感情さえ。


https://twitter.com/ryota_muraidesu/status/1469989467113295873?s=21

良大くん素敵な役者になっとるやないか!😭


ちょっと久々に良大くんに沸いてる💓最近ツイッターとかの言葉もいい感じになってきてる気がするよ。

次の『手紙』直貴役だもんなぁ〜兄貴はSpiくんだもんなぁ〜もう超絶楽しみだよぉ😍



12/19 千穐楽㊗️

https://twitter.com/ryota_muraidesu/status/1472499117364752389?s=21

https://twitter.com/ryota_muraidesu/status/1472499390095011840?s=21

https://twitter.com/ryota_muraidesu/status/1472499866429718530?s=21

すごくいい顔で皆さんと写ってる😊良い現場だったんだろな。良大くん自身も成果を感じられたんだろな。なんか嬉しい☺️