J’aime le théâtre♡

観劇日記。

『ダウト〜疑いについての寓話』2回目

うわー!ラスト変わってた!?

校長シスター・アロイシスの最後の台詞とそのトーンが!

深いため息をつき、「あゝシスター私は疑いを持っているんです

あろうことか私の中に、信念への疑いが生じてしまったんですと、残念に、嘆かわしく、思っているみたい。戸惑ってもいる。狼狽えてもいる。

いたわるように、苦しみを分かち合うように、そっと肩に手を置いてあげるシスター・ジェームス。

ラストの庭のシーン頭から、シスター・アロイシスは柔らかくなってたような。ドナルドくんに関しては母親の言い分を受け入れたみたいだったしね。

冒頭のフリン神父の疑いについての説教に収束されていったなーと思った。

「疑惑というものは、確信と同じくらい強力で、長続きする絆になり得るということです。」って、チラシとかのコピーにもなってるわ。(チラシ、この朧げな人物像というビジュアルが今になって腑に落ちてくる)

こんな一筋縄ではいかない人間同士だからこそ、私たちは共に寄り添って生きられる、みたいな。

蜘蛛女のバレンティンモリーナを見てて、人間って信念とかに縋るよねーとか、でも揺れるものだよねーとか、思ってたとこだったからね。でも今日はめっちゃ信念を持ってるシスターを観に行きまーすとか言ってたんだよ観劇前は。


那須さんが前回よりはコメデェエンヌっぷりを開放させてない気がしたけど、それもラストへ向けての積み上げから逆算してのことだったんだろうか。面白いよね!

あ、でも、序盤の那須さんと伊勢さんのシーン、可笑しみがどちらかと言うとシスター・ジェームスの方から多く感じられたかもわぁもしかしてボケとツッコミの役割を前回と取り替えたとか!?なんかすげぇ凄技


フリン神父は自身の同性愛指向について葛藤を抱えてたんだ、って初めて思った。

子どもたちのためにっていう気持ちとか教職への熱意は持ってるよね。

前回観た時はただ校長が思い込みを暴走させてるだけだと思ったんだけど、今日観たらフリン神父にも確かに何か身に覚えがあるんだなと思ったんだよね。校長室での対決シーンを見ててさ。あれ?もしかしてシスター・アロイシスの方が真実を掴んでるのか?って思ったりしたもん。教会組織を逸脱してどんな処分を受けてでも真相を暴いてみせる!なんて清々しいことを言ったりもしてて。男性社会に立ち向かう熱さなんだよね。

いや、でも改めて思い返しても全然確証はないんだけど。ただ、そんな気がしただけで。(同性愛?小児性愛)

フリン神父は司教と会って何かを言ったんだけど、その結果はフリンの栄転&校長へのお咎めはナシだったんだよね。


校長vs神父も、校長vsママも、相変わらず見応えあったなー。シスター・ジェームスの爆発も凄かった。泣かないで!あなたの感覚は真っ当よ!

ホントみんな正しくて頭グルグルするよ。


フリン神父の説教や体育の授業はやっぱり魅力的だったよなー。バスケのシーンの最後に意味あり気な沈んだ表情を見せるけど、あれはミスリードを狙った演出だと思うけどね。司教様に電話でアポを取るとこもね。実際、シスター・アロイシスを糾弾するようなことは言わなかったようだし。


あれ?12/5に観劇したらしい山崎一さんが、一番刺さった言葉が「疑う、それでも私は疑う」だったとツイートしてるこれラストの台詞?どんなトーンだったかは分からないけど。ラスト、結構いろんなパターンがあったりするんです!?


改めてSPICEの対談読むと頷いちゃうとこがあるなー。亀ちゃんが「どうやら探っていくとフリン神父が抱える苦しみがあるように思うんです」と言ってる(そういえば、思いを共有できる人がいない孤独について説教の中で言ってて、まさに窓とか言っててWaving Through the Windowみたいなこと言ってた)のとか、絵梨子さんの「誰かが悪いとは思えないし、最後もフリン神父に対する疑いのことなど忘れちゃうんですよ。やったのかやっていないのかがお客様の印象に残るようだと私の演出の失敗です。そこのダウトではないんですね」とか。

日米で意味合いがかわってくるよねという話もなるほどーと思ったな。そっか、いろんな立場があるから簡単に他をわかったような気になっちゃいけないよねっていうのは日本人的なのか。


観る度にきっと違うとこが気になったり新しい発見をしたりするんだろうな。その日の役者の出し方もあるかもしれないし、観る側の状態(直近に観た他の芝居とかさ😅)も大いに作用するだろうし。まさに、観る人が見たいもの・見るべきものを見ちゃうやつ。そういうものになるように、緻密に計算されて作られてるんだな。逸品。


後日YouTubeにアップされたアフト(12/9)を視て印象に残ったのは、シスターアロイシスは何故あれほどの確信をもってフリンを糾弾するのだと思いますかという質問に対して亀ちゃんが「フリンのことが嫌いだからじゃないですか」と言ったこと。那須さんも確かにねーと同意してたけど、爪が長いとかそういう些細なことがどうにも気にくわないとか所謂"生理的にダメ"みたいな時って、説明はできないけど"絶対ダメ"だもんね。

あと那須さんは、アロイシスは何かしら過去の経験から""を嗅ぎ取る嗅覚みたいなものが鋭敏で、そのアンテナにどうにも引っ掛かっちゃったんだろうね、というようなことも言ってた。


https://twitter.com/sayokonasu/status/1475382362661953541?s=21

うふふ素敵なお写真と嬉しいお言葉☺️