J’aime le théâtre♡

観劇日記。

『フォル・エスポワール号の遭難者たち』

太陽劇団シネマアンソロジー『フォル・エスポワール号の遭難者たち』視た。プレイハウスにお客さん50人いるかいないかくらいって贅沢よね。


面白かった。我々の現実〜劇中劇中劇?の何層もに渡る虚実の境目がどんどん分からなくなってきちゃうゾクゾク。劇中、物語に入り込んでいく子どもたちの視線の効果が凄いんだよね。

映画を創ってる人たちの話(その無声映画はマイヤーリンクから始まった!)で、それを書いてる人、読んでる子どもがいて、子どもたちはいつしか撮影現場の隅っこでそれを見てたり、更には映画人とか物語に同化しちゃったりするの。その子どもたちの視点につられて私たちも物語と自分・我々の社会を繋ぎ合わせていくことになる。映画を撮ってる時制がまさに1914だったり、ホントのニュース映像が差し挟まれたり、映画の中の船に乗って新天地を目指す人々と映画人たちが未来に希望を抱く様子は重なるし、更にそれは太陽劇団にも重なるし、フォル・エスポワール号の遭難者ってまさしく私たちだよ!😭という気持ちにもなるし、混迷する現代社会において灯台たらんとする演劇人・芸術家のことも思うし、なんか寄り添ってもらってるようで共に歩いているようで胸熱にもなっちゃったり、マジ虚実ぐっちゃぐちゃ!

劇場で芝居を観る観客の視点(自分で編集しながら観てる)を意識して映画化しているとムヌーシュキンが言ってたけど、劇中の映画の物語があって、それを撮ってるカメラのアングルがあって、その外の映画人たちも見えてる劇場観客がいて、同時にたぶんカメラがあって、その映画を今日私は視たわけで。これを映画で(しかも遠い日本の地でね!)視たということには大きな効果と意味が加算されてしまうので、これを劇場で観ることが逆に想像しにくい。


あ、そうそう、無声映画だけに音楽がすごくドラマチックだったなー。


Fol Espoir

灯台

掲げるものはただ一つ、humanité


ムヌーシュキンさんとてもチャーミングなおばあちゃん。

特異な劇団なんだね。様々な国籍の劇団員がいて、俳優スタッフ全員同一の待遇で、劇団員と観客と一緒に食事をするようなホームを持ってたり、社会(白人・欧州・キリスト教・経済至上の)を考えるための演劇をしているね彼らは。

FOL ESPOIRと書かれた船の甲板に立ってる彼らと、戦争が始まるというニュースに集まった映画人たちと、彼らのホームらしき建物の前で私たちに向けて手を振る劇団員たちはガッツリ重なる。


何か見たことないような演劇的手法のすげぇやつを見せてもらえるのかな!?っていう期待で視に行ったけど、その意味では今日視たのは"映画"だったからな。他の(俳優が文楽の人形みたいになってるやつとか)も視ればよかった。あと、劇団のドキュメンタリーみたいなのもあったみたいだからそれも視れたら良かったけどね。

Théâtre du Soleil、新作引っ提げて来日してくれた時には観に行くよー!