J’aime le théâtre♡

観劇日記。

Musical『DEVIL』

日本初演プレビューコンサート初日㊗️

めっちゃ楽しみで早めに池袋へ乗り込んで行ったけど、そう言えば宣伝少ないな配信もあるのにメインキャストがあんまりSNSマメじゃない人たちなのは仕方ないとして公式も全然動いてないしハッシュタグ設定も甘いしそういえば主催って誰だ?製作委員会制作さんちゃんとしてる?だいじょぶ?ってダメ出しモードになってた。

芸劇地下の通路のとこにポスター無いなぁと思ったら、劇場入口もA4モノクロコピー用紙のみだった。こうなるともう逆に、いかにもプレビュー感!ってむしろアガったわ😆


劇場入ったら、おっとそうかウエストあの日以来かと残留思念に襲われる。

黒基調の舞台に鉄骨のバルコニーと階段なんかあって、背景はアクスタ放火ver.みたいな色に見えてさ。そのせいなの?開演前の客席めっちゃ静かで。


なるほど、白アッキーと黒コニタンなのね

コニタンのお衣装ビクターみたいなロングコート100点満点!💯

ははん、ファウストなのか

ってアンサンブルさんの後ろから舞台中央にスーツ姿の良大くんジョン・ファウストが現れた瞬間、あゝあなた翻弄され闇堕ちするんですね!😍と理解。

良き妻の雅原慶さん。めちゃくちゃ歌ウマだし好きな歌声だ!濱めぐさんみたい。(わぁ!雅原さんアリージャンスで稽古場代役やってた!四季でアイーダやエルファバというのもめぐさんと同じだよね)

良大くん、このメンツの中で流石にお歌は及第点に留まるけど、繊細な表情の演技が光るし、こういう役をやらせたら持ち味としてはぶっちぎり。誠実な顔、迷い悩む顔、堕ちてしまった顔も良かった。美しいわやっぱ良大くんの顔。

黒コニタンの美しさは言わずもがな反則級なんだけどねっ!(あゝそうだ「美の象徴」役をやる筈だったんだっけ…)

キャスティング最高だなウハウハって観てたら、終盤のソロ曲で雅原さんの変貌が凄くて度肝抜かれた😳壊れて狂って、歌の発声が全然違くて!狂気的な甲高い声!ピンスポの中でバルコニー上の黒コニタンが降らせた赤い薔薇の花びらを浴びる姿に思わず拍手しかけちゃったよ。

その直前にダンサーさんのシーンがあって、今日は女性だったからグレッチェンとシンクロして見えたけど、男性のダンサーさんだとどう見えるんだろ。次回楽しみだな。


ジョンはグレッチェンを救うため自ら喉を撃って死ぬ。

のけぞった姿勢でグレッチェンに抱かれてる時に見えてた顎のラインが綺麗だった。

光の中に消えていく後ろ姿。

「死をもって償ういつものやり方か!」という黒コニタンの最後の台詞に惹かれた。


ラスト、白アッキーと黒コニタンの美しいデュエットのバックに現代のニュース映像みたいなのが流れ、我々に繋がる。

アッキーがコニタンと目が合った時すごく素敵な笑みを溢していたのは役としてではなくプレビュー初日の手応えだったかもね☺️


それにしても、これをウエストの濃密な空間で浴びる贅沢よ


https://natalie.mu/stage/news/445840


https://spice.eplus.jp/articles/292857


へぇ、アッキーとコニタンの役名はX-WHITEX-BLACKっていうんだ。

A4ペラとかでもいいから当パンあれば良かったのにね。セットリストも見たいじゃん。

パンフ早く読みたいのに通販かぁあれ?公式サイトでってアナウンスしてた筈だけど

と探してたら、山野泰博さんのツイートでこれから受注生産だということと販売サイトが別にあることを知らされる。もぉ制作さんがんばれ☹️


良大くん、初演のものづくりに参加する機会があるといいなって前々から思ってた。今回演出のうーちゃんともアッキーともコニタンとも信頼関係厚くて、クリエイティブな現場を経験できてるんじゃないかな。それができる俳優なんだよってミュージカル界演劇界に広まってほしい!

あ、そういえばね、どこだっけなー既に闇堕ちしてるのにグレッチェンへの言葉の語尾が優しくて「わー良大くん!」て思ったとこがあったんだよなー。聴き覚えのある感じだったんだ「〜だよ」or「〜なの?」っていう語尾かな?「ありがと」とかかな?坂道くんの電話的なやつだったかな?

あと、ファウストとグレッチェンのデュエット雅原さんも音程取りにくそうにしててすごい難しそうな曲だなーと思ったんだけど、それは良大くん割ときれいに音取れてた気がする。「リンゴの木」とか言ってたなー🍎



9/26 千穐楽

「死をもって救われる魂いつものあなたのやり方だ!」上方の宙を見て。苦々しそうに。やっぱりコニブラックのこの台詞がいちばん引っ掛かってる。

"神に抗う"話なのかな。人間。モダニズム

光か闇か自分で選ぶ、って言ってるもんな。

人間は基本、光の子なんだけど、闇が凌駕してしまうことがある、っていう世界観だと思う。だよね、ファウストだもんな。人間は理性をちゃんと使えるかっていう話か?

"解ろう"とするとダメなやつかもな、これ。宗教的・概念的で、かなり説教臭いような感もある。

とにかくキャスティングには大成功で、俳優たちの魅力全開なのを観て聴いて楽しめた。今回わたし的には雅原さんを知ることができて嬉しかったな。

ダンサーさんは取ってつけた感にならないためにももっと登場シーン多くした方がいいんじゃないかと思った。なんならねじまきくらいにしちゃった方が作品の雰囲気と合うかもしれないよね。

カンパニーの産みの苦しみとがんばった結束と何とか産み出した安堵が感じられるカテコご挨拶で幕。よかったね💐


https://twitter.com/ryosei_konishi/status/1442068174908768259?s=21

https://twitter.com/ryosei_konishi/status/1442079247019905025?s=21

このカンパニーをリードしてきたのはたぶんアキコニだったんだと思うけど、良大くんもここに参加できてよかったね。しっかり者のかわいい後輩っていうポジションなことがカテコ(雑に「良大締めてよ」みたいに振られるw)でも見て取れた☺️

https://twitter.com/ryota_muraidesu/status/1442114898121539588?s=21


https://note.com/yamanononote/n/ncbbf0a676b36

山野さんの楽曲に対する深い洞察は私には理解できないことも多いけど面白い。最初に注目したのはJBボブゴーディオ登場時の和音について書いたブログだったよね。



ファウストを読むのはちょっと敷居が高くて『教養としてのゲーテ入門 』を読んでみた。アーレント本が面白かった仲正昌樹氏の著作だというのもあり。

なるほどなるほど!がいっぱいだったな。

ドイツ近代化の只中、宗教や地縁などから解き放たれ自由になったが、規範を失い、行先に迷い、不条理な欲望が溢れ、旧価値からも完全に逃れることはできない、自然回帰への願望もある、そういう市民の姿を多面的に描いているって。確かに。まさに『DEVIL』でもブラックとホワイトが冒頭とラストで「生きるとは何なのか」とか言ってた。


近代化の過程の光と影()。それに引き裂かれ苦悩しているのは現代人も同じで、特に「現実の人生に芸術が関わってきた時、余計に話がややこしくなってくる」というのにはそうそうそう!と思った。ウェルテルは演劇に嵌ってる時期もあって、そこの描写はいちいち見覚えのあることばかりだったな。


DEVIL』を観てて腑に落とせないなーと感じたのはどういうとこだったんだろうやっぱ、光=宗教観・道徳観に則った""(人間の本質としての"")として描かれていたとこかな。ファウストゲーテの時代背景とか知らなかったから、そういう宗教道徳に導く話なのか?と思って、しかもその表象がグレッチェンという清廉な女性だったりもするから、そういうとこもね。

そうじゃなくて、光=自由とか選択権とかだと思うのよ。旧価値を手離すことによって得た。その光を獲得したことで同時に影()も生じ、我々は苦悩する。

自分で決めること、選び取ること=何かを捨てること、それに伴う不安や苦悩。

芸術って、光と闇の両方をちゃんと見て、苦悩を避けちゃダメだよねがんばろう!と言う/確認するためのものだなーって思う。

例の「いつものあなたのやり方だ💢」に惹かれたのは、そこに気概みたいなものを感じたからだな。

引き裂かれながら足掻きながら生きる姿を表現するのにダンスは適しているかもね。

あ、それと、元々(韓国初演版かな?)はホワイトとブラックは1人の俳優が二役で演じてたらしいけど、どちらもジョンという1人の男の内面であるという点ではそっちの方が合ってるか。でも楽曲的にはやっぱホワイトとブラックのデュエットは外せないけどねー。


https://twitter.com/nakagawa1982aki/status/1442060521771978772?s=21

あらハッシュタグも嬉し🐶

信じるもの、かぁ