J’aime le théâtre♡

観劇日記。

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』

My初日はGCA列ちょい下手で和樹ジャック。

これ下手席が圧倒的に美味しいんじゃない?


いやーおポンチミュージカルだなーこれ!って思いながら(ダニエルとグロリアがあまりにメロドラマだったから?)1幕観て、こりゃ1回で充分だったかなと実はお譲りを検討し始めたんだけど、2幕終盤で面白くなったよ。

まぁ予想どおりジャックは貴方の影的なやつだったけど、ダニエルとシンクロなんだね。ダニエルとジャック二人で交錯しながら歌う歌は演出も含めて見応えがあった。最後はアンダーソンの背後にジャックのシルエットが映って終わるのもなかなか良いね。

これ実質ダニエルが主役じゃない?と思ってたらなんとカテコ0番たちゅなりくんだったー!(よくよく見たらクレジットもトップになってた)

そしてね、本編カテコの後にレビューがあってね!宝塚みたい!

そういうの込みで、おもしろかったおもしろかったー。振り切ったエンタメとして提示してくれてるのがいいなーと思ったよ。


まりおくんとジャック和樹さんは思いっきり楽しんでたね!ゲスさをがんばってるまりおくん(ルキーニをというツイートを散見したけどなるほどね)前髪をクシャクシャってするクセが可愛かったし、和樹さんジャックのロックなナンバーカッコよかった♡ 優也くんは甘い声だな。「この街が嫌いだ」って言うのとても良い。和樹さんのアンダーソンも楽しみだ。たちゅなりくんは綺麗な声で歌上手い(低音も結構イケるのね)と思ったけど終盤すごくムズかしそーに歌ってた歌は進歩できるといいね。May’nちゃんはレビューにもなってるソロ曲もうちょっと歌えてほしい。造形にもっと説得力が欲しいと思うのはこのホンじゃ仕方ないかなエリアンナちゃんの歌は安定。切ない役だったね。娼館の女将さんパンチが効いてて良かった。(菅谷真理恵さんボーカルキャプテンですってやっぱり!)

ロンドンの路地裏みたいなセット良かった。舞台前面に家々のミニチュアみたいなのあった?(モジョミキ思い出したすごい八百屋になってる下手後方から道路のていで出捌け口なんだけど、そこからシルエットでジャックが現れるのカッコよかったなー。



9/24 和樹アンダーソン堂珍ジャックで2回目ダニエルはたちゅなり固定。今日はB列上手席。ここからだと奥が八百屋になってるの全然分からないのね。


これさ、結構おもしろいミュージカルだと思うんだけど、唯一!ダニエルとグロリアの出会いと関係性とダニエルの動機だけが!っていちばんキモな部分がおポンチだから1幕は特におポンチミュージカルに見えちゃうんだよなー!アンダーソンの「この街が嫌い」とか超よいし、アンダーソンとポリーとか哀しさ切なさ含みがいっぱいだし(和樹さんの滲ませ方がすごく良かったのかもしれないけど)、モンローの欲望も、ジャックの位置づけも、ダニエルとジャックの見せ方も、すごく良いだけに、ほんと唯一おポンチだけどうにかならんかなーーという感じ😅May'nちゃんの造形でもうちょっとやりようがあるのかなぁ。元々のチェコ版はアンダーソンが主役らしいので、そっちで観たい気がする。


只々ひたすらに、和樹さんの顔が良い

たちゅなりくんはあの役を最高な造形で演じてる。振り切ってる。

堂珍さん楽しみ具合も良かったしカッコよかったけど小柄だからたちゅなりとのバランスで言うと和樹ジャックの方が良かったか。あと、歌詞の聴こえ方は和樹さんの方が断然良いのね。感心した。座席の違いもあるかもだけど。堂珍ジャックの声は結構作ってて、ダニエルと交錯した時の声がいつもの堂珍さんの声だった。

そうねーやっぱMay'nちゃんが私にはイメージ違いに思えるかな。儚くて、どうしても守ってあげたくなる感じの子だったら良いのに。ダニエルと二人ズブズブの依存関係が哀れに見えてもよい。

ダニエルの動機として「愛」を言いたいのなら(もっと他の要素にフィーチャーするのでもいいと思うんだよダニエルのエゴとか弱さとか)、スリミ彼くらいの説得力を持って欲しいよねグロリアには!

グロリアの旅立ちに娼館の女将さんや仲間の娼婦たちも温かい目を送ってる描写もあったから、何かしら特別な存在(可憐だったり賢かったりして例えば女将から可愛がられてるとか一目置かれてるとか)で、あんたこんなとこに居ちゃいけないよって女将やみんなから思われてる、とかさ。ダニエルもどうしてもこの子をここから救い出さなければ!って思っちゃうような。


上手サイドも結構美味しいとこあった。研究室とか、ポリー&アンダーソンとかね。

あゝこの2人最高に良かったなぁ!其々に抱えてるものがすごく見えて。ポリーはアンダーソンを愛してるけど、アンダーソンは別にポリーのこと愛してないと思う。でもポリーの健気な様子(こいつもクズな女ではあるが)に心打たれてるし、そんな彼女を都合よく利用しようとしてる己のクズっぷりを思い、情けなさと苦悩に満ちた和樹が最高よ♡ ポリーは何も聞かずOKと言うくらいアンダーソンが唯一の光で他に何も無い身の上なことも分かる。彼女も勿論自分のダメさ惨めさ行き場のなさはどうしようもなく痛感していて😢

赤い花を挿したポリーが泣きながらダニエルに買われるとこを物陰から見てるアンダーソンの苦しい表情は上手ならではのビューだったのでは?

あと、2幕ってジャック上手側に腰掛けて板付きで始まるんだった。

下手の見どころは1幕終盤の、ダニエルのメロドラマをウンザリしながら聴いてる和樹&まりおだよねー!そう言えばパブのショーを観てる時のウンザリアンダーソンも良かった。


ふむ。

「この作品は愛の物語」だと演出の白井さんも謳ってて、つまり「愛」が人を動かすということかな。おそらくチェコ版から韓国版になった時にそのテーマが強くなったんだろうけど(韓ミュの常套手段!)、そんなにまで人を突き動かす「愛」欲望 = ジャック!なのか。ダニエルのグロリアに対する愛って一見美しいようだけど結局エゴであり自己満足ですよね?だからアンダーソンはこんなのが美しい「愛の物語」として世に流布し語られてはならないと思った。

そう考えると、1幕がおポンチミュージカルに見えることも必要なのか。

そっか、これを公式で「愛の物語です」と言って宣伝することはモンロー的ポピュリズムを敢えてやってる、大いなる皮肉なのかな。だとしたら良いね!!!そう言えばプロモでモンロータイムズとかやってるもんね!