J’aime le théâtre♡

観劇日記。

『検察側の証人』

やっとやっとMy初日!

まずはここまでネタバレ踏まずほぼ真っさらで、展開にドキドキしつついろいろ疑いながら観る楽しみを味わえて良かった。ミステリの醍醐味。なかなか面白い話だったなー。


先入観。我々はいや私は、何を好意的に思ったり信じたりするのか。「真実だから」信じるわけじゃないよね。真実なんてものはいつだって"私にとっての真実"だし。

開廷する時に判事が「この法廷で見聞きしたことだけを材料に判断してください」と言うけど、それ以前のシーンで見たものをチャラにすることはできない。もっと言うと、レナードみたいな男とか金持ちの年配独身女性とか外国人とか弁護士とか(メタ的には「アガサクリスティ作品」とか!)に対して私たちが予め持っている意識だってどうしても作用してしまう。


疑わせる/信じさせる役者の力がすごく要るよね、これ。演技力もそうだけど、それ以前のルックスとか持ち味みたいなものも大きい。総合的な俳優力。レナードは客席の大半から好意を向けられる役者である(「人好きのする男性」である)必要があることを考えるとのんちゃんで正解なんだな。客席がグッとのんちゃんを見てる空気を感じた瞬間があって面白かったよ。


観客を陪審員や傍聴席に見立てる演出、転換でドドーンと法廷が現れる舞台美術(後ろからスライドしてきた時タジマの池を思い出したよ絵梨子さん!)(美術はスルースと同じ方だった)、そして衣装が素敵。あさこさん美しいし、成河さんの法服ヒラヒラは眼福。(さすが前田文子さん)


そう、"こんな成河が観たい"部類の成河さんが観れてニッコニコよ。おでこを上げた精悍な顔つきで法服の裾を翻し強い目線(陪審員=客席にめっちゃ視線を送る…2階最後列からでも印象深いまん丸いお目々!)や突き刺さるようなカンの声、尖ってる!俺たちの成河😍

台詞外のところの動きや表情もずっと追いたくなるぅ〜検察側の人たち(特に那須さん)とちょいちょい目線を交わしたりするのとか。


猫ブラシとかストロベリーブロンドに引っ掛かる判事に笑っちゃったんだけどあれ浅野さんだったんだね!サイコーw

あと声出して笑っちゃったのは那須さんが言った恋愛小説のタイトル。

大貴くん監察医の玄人ぶったスカした感じがツボだった。成河検察官にめっちゃ邪険にされてたじゃんw

阿岐之くん廷吏、良い声だったな。


手紙をタレ込んだ女があさこさんだって全然わからなかったのは遠目のおかげかもしれないから初見にはそれで良かったし、客席全体の空気とか感じられたのは後方席だったからこそかもね。


検察官や弁護人や証言台に立つ人たちは勿論、どの役もというかカンパニーとして、観客にアクセスし繋がる力がものすごく求められていると思う。観客を惹き込み、巻き込み、動かし、劇場全体を法廷と化すための力量。それができてこそこの作品が成立する。成河さんが「なかなかタフな作品」と言ってたのも多分そういうとこなんじゃないかな。

公演期間後半、結末を知ってる客が多くなってくるとまた雰囲気変わるのかな?どうだろうね。こういうのはやっぱりリピーターが多くならないようにしたいのかな。


あゝ芝居を観るのは楽しい。劇場へ行くのは楽しい。元気出た。

「演劇、楽しいですね。」はい!☺️