噂のジェイミー、観たよ!
ブリリアに来たら脳内でデスノの曲が自動再生され始めて困ったw
ポップな楽曲が楽しいハッピーミュージカルではあるんだけど、意外なことにキラキラ✨っていう感触とは違うと感じた。自分らしく輝く!とか主役になる!とかを決して安易に賞賛していないんだよね。何か一つの側面を肯定して終わりじゃないじゃん現実って。人生って。そんなことを思った。とても現代な作品。もう1回観ることにしてて良かったな。
妖精の国から、現実に立てるようになったねジェイミー。そのスタートラインに。
お伽噺じゃない、現実。
武装と演じることばっかりじゃいつか苦しくなるよ。
プリティとディーン以外のクラスメイトたち…いわゆる"大衆"というか、味方だと思って良いのかどうか分からない。あれ?今ジェイミーは受け入れられてるの?どっち?って思うとこがあった(芸術品とか言ってるとこかな)。世論が好意的かどうかということで自分の美しさを認識するのは危険だと思う。
プリティはいいこと言うね。頑張ってるのではなくごく自然に自分の好きなことやりたいことを選択してる。ジェイミーが彼女のことを頼りにするのはよく分かる。
「私は着ないけどあなたのドレスとても素敵」って、いいよね。
禅さんロコはお歌お姿もちろんファビュラスでゴージャスで素敵(ドラァグズの皆さま流石!)なのだけど、ヒューゴの裏ぶれた佇まいに惹かれる。
ヒューゴ、ママ、ミス・ヘッジ…大人たちの造形がなかなかに深いのが良い。
瞳子さんママのナンバー「我が子」は圧巻の歌唱で胸に迫るけど、んーちょっとエモすぎかなって思ったり。わかるけど。息子はなんたってかわいいし大好きだけど。
ウィンくん回しか取ってなかったのを、歌唱動画見て颯くんの声がすごく好きな気がして急遽追加してしまったのだった。しかもダブルの初日だった。颯くんの歌声やっぱ好きだったな。ちょっと芳雄さん系?デスノの時は思わなかったけどね。歌の安定感もある。ホットパンツになった時の脚の筋肉すご!
プリティの山口乃々華さんの声も好きだった。落ち着いて深みのある感じ。
ダンスに目を引かれたのはファティマの伊藤かの子さん。
いやしかしドラァグズと瞳子さんの歌唱が素晴らしくてそれだけで元が取れると言える。知寿さんもカッコいい。瞳子さんと知寿さんふたりのシーンの芝居が、女の親友同士のリアルな空気感あふれててすごく良い。
改めてよく見るとかなり強いよ大人キャストの布陣!
若者たちはやっぱり歌も芝居も技術が高くないとこがあるけど(レミゼのアンサンブルの皆さんとか見てると目も耳も肥えちゃうよね)、高校生らしいエネルギーや初々しさは若い役者の方がいいと思うし、この若手たち+圧倒的なベテラン勢というカンパニーはそのままこの作品になるのかもしれない。いろんな客層が見込まれる客席も含めてね。
https://twitter.com/okadaic/status/1424332608217960450?s=21
うわぁ!ここからのスレッド内、岡田育さんの作品解説に頷きまくり!合点がいったわ。
そうだね、2017年WE上演というとても新しい作品なんだよね。
旧い価値観、旧タイプの人間は、それはそれで生きてるけど、若者たちを妨害してはいけないよな。なるほどジェイミー父がラストやカテコでは跡形もなく消えてしまってるのには意味があるんだ。それを言ったらヒューゴもだ。新しい世代に場所を空け渡す。
"とは言っても私はこう感じる"は、どうしたってあるけど、それがいつまでもスタンダードだと思わない方がいい。私が見てきたものからの判断がどこでも通用すると信じ込まない方がいい。
「繋げて」「約束して」が断ち切れることでこそそう言い渡した過去の人たちも救われるんだって、新しい人は思っちゃえばいいよ。これまではこうで、その上でここから先は真っさらなんだ、と。
『獣の柱』のラストも思い出すよ。
心を動かすことを怖がらない大人であろうと、私は劇場で学んだのだ。
そうだよね、あゝやっぱりルーとダグラスだってこの連鎖に繋がっていってしまうんじゃんと思っちゃう自分を観測すべきだ。
今から先の未来はあくまで真っさらなのだと信じられるか。
明日の分岐点に今ぼくらは居る、って。
今、世の中はすごいスピードで変化するし特にコロナ禍においてそれを目の当たりにもしていて、10年も前に初演された海外ミュージカルを持ってきてたんじゃ遅いよねっていうの火急の問題じゃない?