レミゼ!今期初は、1回だけ観るつもりで悩んだ末に最優先させた組合せ…光夫バルとないとぅーマリ。ジャベはたつ兄。これ大正解だったな。其々の造形がとても好きだったし、この組合せだから出せてたものもあったと思うんだ。
今年はコロナのリスク管理のためキャスケがわりとチーム制になってて、聞けば今日から新しいタームに入ったらしい。皆さんにとっても今期初な顔ぶれでの回だったんだね。
帝劇ひさしぶりだな…いつぶり?え?まさかエリザ!?
初っ端の♪デンデーン!で、もうね、掻っ攫われるよね!肌にゾワゾワっとくるものがある。凄いな。
光夫さんって、わたし実はバルジャンより先に『手紙』観てたし(そう言えばたつ兄との出会いもそれだったなぁ)、"囚人" が似合う…と言うのも何だけど、大きくて強くて力持ちで凶暴で不器用で愚かで短慮で純朴で優しい…すっごくバルジャンに見えるのよ。
下〜向け〜って船漕いでるところから屈強だし、隣で漕いでる囚人が「主よ殺してくれ」と言った時に向ける「おい!頑張れ!」っていうような目線とかその後崩れ落ちそうになるその囚人に手を差し出して支えようとするのとか。
ジャベに向かって「俺はジャン・バルジャンだ!」とすごい怒り憎しみを込めてたし、その怨みを忘れない感じしたし、自由の光を得たと思ったら世間に蔑まれ手負いの獣のようになった姿にも説得力。神父様の「これを使って正しい人になりなさい」にはバルジャンと一緒に泣くよ。そしてタイトルバックドーン!まで、息をつかせないよね。そうだこれがレミゼ。
たつ兄ジャベがちゃんとつおい!のも期待どおり♪
ないとぅーさん!うかれポンチマリウスだな(褒めてるよ)!あれ革命の重大さとかわかってないっしょ絶対…恋してフワッフワなのに なーんとなく流されて砦内に入っちゃったじゃん。
ヘタレで、なんかみんなにかまわれて愛されてる感じのマリウス。好きだよ。全くシュッとしてないのが良いよ!
コゼに「僕はマリウス・ポンメルシィ」ってぴょこんとお辞儀するのがとても可愛く不恰好で子供っぽかったり、エポが撃たれた時に仲間から大丈夫か?って聞かれてホイって手を上げるのとか。あんたを庇って撃たれたんだよエポは!分かってる!?w(エポこのマリのことそんな好きになる?って思ったけど、こんなだから世話焼いてあげたかったんだろうなぁ😢) 結婚式でテナにパンチ喰らわせたマリ妙にやんちゃっぽかったのも可愛かったよ!
グランテールの逡巡…ガブローシュを連れてそっと立ち去ろうとしたその時に、アンジョが「列に入れよ」って歌い出すんだよね…
民衆の歌を、え?え?え?待って…なんていう感情で観たのは初めてだ。
そっかグランテールってああいう人だったんだな…ずっと疑問を抱えて、ひとり離れて呑んだくれてる。でも砦から出て行く勇気はない。ガブローシュを失い、ヤケっぱちで銃撃戦に参加して。ガブが「すばしっこいおいらが!」なんて言って弾を集めに出て行くのにどうして気づいて止めてやれなかったんだ😭舞台下手でその遣り取りが行われてる時に上手側でテーブルに突っ伏して飲み潰れてるグランテールに、ちょっとちょっと!って言ってやりたかった。彼もきっとそのことを悔いたに違いない。
マリウスも、いや砦のみんな、アンジョでさえ、エポの死を目の前で見て初めて実感湧いて事の重大さに震えてるみたいな…
あまりに幼い。稚拙。無駄死に。
なんだろう…六月暴動(もっと言うと1789以来繰り返される革命と反動の歴史)の概要をちょこっと読んだからかな?あるいはスリミの後遺症かな?学生たちの青さ幼さが痛くて…
ばっちアンジョがあまりにカッコいいからさ、みんな夢見て、アンジョキャプテンに着いて行ったら何かがあるんじゃないかって希望を抱いてたような。
ガブが死んで、もうどうしたらいいか分からなくなっちゃって、自暴自棄になって、みんな死んで、最後にとうとうグランテールも死んで。
なーんとなく参加しちゃったヘタレマリウスだけが結局生き残って、カフェソングがむちゃくちゃに悲しい😢みんなマリウスのこと愛してる。
そうそう、カフェソング前にマリに思いっきり憎悪の視線を向けて捌けていく女性がいるよね。竹内くんが「あれで罪の意識が…」とツイートしてた。
しかし今日の白眉は光夫さんのブリングヒムホームだな。想像を絶する圧巻だった。
足下で聴いてたないとぅーさんの顔は見えなかったけど、ビリビリきてたんじゃない?
この子を思う気持ちがものすっっごく出てたと思うんだ。
ほんとちょっとまじゾーンに入ってたと言うか、帝劇じゅうが無になってたわ。異次元。
たつ兄ジャベ、下水道でバルに向き合った時の何あれ苦しくて泣きそうに崩れた顔!
光夫バルにガッツリ対峙できる強いジャベだったのに、いや、だからこそ、自分の芯を失い星から見離された絶望が凄まじかった。
砦からバルによって解放された後、必死だったよ。なんとかバルを追うことでしか自分を保てなかった。マリを背負って歩くバルを、それまで経験したことのない行動原理で見送ってしまった後、「ジャン・バルジャンの世界」という言葉の意味するものが自分の中で変わったことが怖ろしくて、堪えられなかった。彼に生を許したからには、自分には死しかない。
光夫さん、ほんと優しい顔するんだよなぁ。コゼットに向けて。あと天に召されようとする時の、やっと終わる…みたいな、満足…と言うか、ホッとしたような、嬉しそうな、とても柔らかい笑顔。「私を帰す」と言ってたな…。
光夫さんのああいう顔ってたぶん舞台上でしか見せてくれないからさ。でもあれはあの人のほんとの顔だと思うんだよ。
あの大きな体と、強面な顔と、凄い声量。天から授かった類稀な宝をお持ちな人。屈強な喉から発する歌声を地鳴りのように轟かせることもできるし、柔らかな光のように微かに、でも確かに、響かせることもできる。
VIOLETのLet It Singでも圧倒されたけど、大劇場を一人の声と存在で埋めることのできる稀有なミュージカル俳優だと思う。
前方上手端っこ席、淫売宿のシーンとかテナたちとバルコゼのいざこざにジャベが来た時(物陰に潜んで隠れてた…あ、後でそこにエポも潜む)とか、アンサンブルの方がすぐ横で細かい芝居してて(生声が聴こえて嬉し)、わぁ舞台のこんな端までちゃんと世界があるんだなぁと感心。ワンデイモアのテナ夫妻のバルコニーがほぼ真上だったね。
光夫バル、たつ兄ジャベ、ないとぅーマリ、グランテール(川島大典さん)の、いろいろ刺さる表情が目撃できたのは今日の席のおかげだったね。人物が人物へ向けた顔をほぼ正面から見れるのは前方端席の旨味だよなー。あ、樹里ねぇが楽しそうにファクトリーガールバイトしてるのも認識できたよ!隣の子(屋比久ちゃんかな?)とめっちゃ喋ってたw テナ夫妻のシーンって手数が多くて大変そうだよね。あれを全部"自分の"動きにするのって難しいんだと思う。夫婦のペア変は緊張するだろうな。それこそ入替稽古必要よね。
そうだ砦の学生で見覚えあるな?と思ったのは田川景一さん…パレードのスウィングでクレイグをやった人だ!うわっ!コゼの熊谷彩春ちゃんはそうか、パレードのメアリー・フェイガン…そっかないとぅーさんとカップルだったんだね忘れてたわ😅
成河さんの例の「お花見」の話…スリルミーは究極的に余白が大きいことでその「花」になれてるんだとおもうけど、それを言うならたぶんレミゼはすっごい多くの人間模様の要素を盛り込んでるから、その中で「観る人が見たいもの・見なきゃいけないものを見る」ができる作品なんだなーって、ふと思った。