J’aime le théâtre♡

観劇日記。

戯曲リーディング『ハムレット』より To be, or Not to be,

萬斎さんの世田パブ芸術監督としての花道、しかも一夜限りの公演ってことで反射的にチケット取ったんだわ。


萬斎さん出てきた瞬間その身体の形だけでうわぁ😍ってなって、前説の最後にWho’s there!で暗転から劇が始まって、あぁ萬斎さん先王なのか謡って亡霊感すごいよなー手前にだらっと寝そべってたハムレットえ?え?萬斎さん?じゃなくてそっか裕基くんか!声(特に低い音の時)も抑揚も姿形(腰が細いし小尻だし脚の形も)も萬斎さんを思わせるところがめっちゃある+溢れる若さ!というのが尊いわ!クローディアス星さんだ😍ポローニアス吉見さんだぁサイコー🤣もぉ子午線思い出しちゃうじゃーん、てえ?ガートルードってよくよく声聴いたらあれ若村さん!?ひゃっ!フォーティンブラスは遠山くんじゃないの!(声張ったら分かった)きゃあ!見ればあのちっちゃい階段じゃん黒塗りに波模様の金蒔絵の動かすキャストたちもどうりで手慣れてるわ!奥の高い所に王の亡霊が出てくるけどあれ影身が立ってたとこじゃーん!ってもうわたし的には実質子午線だった🥰後で聞いたら実はほとんどオフィーリアの山崎薫さんと音楽の国広さん(森フォレご担当)以外は全員子午線メンバーだったんだわ。チケ取った時点では認識してたのかもしれんけどすっかり忘れてた😅直前には当パンとか見てなかったし、皆さんマスク着用だったからさ(ちょっと残念)、キャストが徐々に判明していくの面白かった。演助に桐山さんも入ってたのね。


カテコの時キャストの皆さん客席に向かって拍手を送ってくれた仕草と空気感がまんま子午線😭

「一音たりともおろそかにしない」のが萬斎さんの演出だってどなたかがアフトで言ってたけど、子午線メンバーは言葉を読むというか朗誦することに流石慣れていて、こっちも自ずとその態勢になるから、シェイクスピア調の台詞に違和感を感じないんだよね。

そう言えば裕基くん、ハムレットってなんでこんなに思ったこと全部言っちゃうんだろうとか、こんだけのこと2ページかけて言う!とか素直な印象を喋ってくれてニコニコしちゃったけど。型があってそれを習ってというところから始める伝統芸能と違う、自分で演技プランを持ってやってみてダメ出しもらってという作り方を新鮮に感じてるんだな。


"ハムレット俳優"ってやっぱあると思うんだけど、裕基くんのハムレットは観たいと思わせられるよ。そういう華というか資質を持っている。誰でもが持ってるわけではないそれが、彼には備わっていると思う。父王を萬斎さんがやるということも含めてね(クローディアスも2役で萬斎さんがやったら如何ですか?とかも思うわ)。裕基くん、今日のところはまだ終幕までずっと観客を惹きつけ続ける技量は要向上かなと思った(若村さんが教えてくれたけど裕基くんこれが狂言以外の初舞台だったんだ!)。でも持てるもので既に魅力的なハムレットに見えるって稀有なことだよね。


ラスト、横たえられたハムレット

「死んでるの?生きてるの!」

お客さんが入って初めて分かったこと成立したことがたくさんあるとキャストの皆さんが口々に言ってたし、萬斎さんが「皆さん生きているからここ劇場に来てる」と言ってて、

そう、生きている者たちが集って何かが生み出されるすごく有機的なエネルギーに満ちた場だよな劇場ってとしみじみ思ったり。


本公演へ繋げるためのトライアウトとしてのリーディング公演を自らの芸術監督在任中最後の公演にした萬斎さん、粋!世田パブへの置き土産ね。一演出家・一役者として戻って来ますって。カテコの音楽Get Backに思いを込めて(国広さんは本番直前に急に言われたとこぼしてたけどw)

若村さんが言ったように裕基くんの初舞台に立ち会えたこと、チーム萬斎によるこの作品の"産み出し"の一端を観客として担えたこと、皆さんとアフトも含め3時間みっちりこの場を共有できたこと、萬斎さんの20年に渡る世田パブでの歩みと新たな船出を一緒にお祝いできたこと、幸せだ。


当パンの萬斎さんや河合さんの文章を読んだらますますこの企画の今後が楽しみになった。ハムレットって今まで面白いと思ったことないんだけど、萬斎さんの現代劇視点(あらゆる二律背反の話だと。うんうん、そう言えば星さんクローディアスも祈るべきか祈らざるべきか悩んでたよね。クローディアスが極悪非道に見えないとかポローニアスにあんなにも親しみを感じるとか初めてだし、ハムレットは道化になりきれなくて周りを破滅させたという視点もなるほど!)・能狂言との親和性・父子で演じることによる意味合いの増幅これはなかなか面白い。

当パンと一緒にくれた小冊子「芸術監督 野村萬斎世田谷パブリックシアターでの20年」写真もたくさん載ってて嬉しい。

やば萬斎さんすげぇしかっこいいな😳

勢いで2003ハムレットオイディプスアテネ公演のDVDポチってしまった。

萬斎さんmeets木ノ下さんの鬼滅はぜっったい観るっ!!


わ!ふと見返した世田パブ子午線のサイトに

「人間の営みを俯瞰して眺める狂言的なマクロの視点」と「人間の精神性や情感に迫る能的なミクロの視点」で

って書いてあって、ほほー!と思った。そっかー笑えちゃうのはマクロ視点で、悩んだり悲しんだり沁みちゃったりするのはミクロ視点なんだ。なるほどなー。

マクロ視点になり切れなかったハムレットってことになる?


3/1 萬斎さんのハムレット2003DVDで。面白かった!やっぱね、台詞をちゃんと聴かせるのよ。萬斎さんと、クローディアスの鋼太郎さんが、その術に圧倒的に長けていると思った。長々と喋ってもうわすべらないし、そういう台詞を聴く身体も自然なの。ポローニアスの壌晴彦さんも自然だったし、軽妙で面白かったな。オールメールで、ガートルードの篠井さんめちゃくちゃ素敵。ホレイシオよこちんさん!劇中王妃は純米さんだった!世田パブロビーでの萬斎さんインタビューも入ってて嬉し。芸術監督就任して間もなくの頃だよね。これロンドンにも持って行ったんだなー。


3/2-3オイディプス王2004アテネ公演のDVDを。とにかくこの古代まんまの劇場すげぇ。蜷川さんも役者たちも下見でテンション上がりまくってたけどあれはアガるよ。萬斎さんたーこさん鋼太郎さん素敵だった。声の通りが圧倒的に良かったのは壌晴彦さんだったな。萬斎さん終演後の笑顔が清々しくてこれまた素敵だった。

考えたら35歳から芸術監督やってたってすごいよな。そこから20年間やってたのもすごいけど。若村さんが「同時代に生きて表現活動を一緒にやれてることが嬉しい」と言ってたけど、ホント凄い才気。


3/11 『まちがいの狂言DVD視た!これたぁのしぃー!「ややこしやー」は懐かしいもんね☺️「そも私とはなんじゃいな」ってずっと持ってる問いなんだわ。開演前からややこしやマンたちが世田パブの客席内うろうろして客と絡んでて楽しい。そろそろ時間だよみたいなアナウンスが萬斎さんの声で「ややこしやややこしや」とか!🤣芝居もずっとニコニコしながら視ちゃった。楽しいし魅せる。台詞から謡になるとこ、ミュージカル!?って思ったり。グローバルバージョンということで英語字幕も付いてて何気にそれが助けになったりもするwこれをロンドングローブでもやったんだね。これはウケるよ。太郎冠者の萬斎さんはめちゃくちゃお茶目❤️素晴らしい声と身体。

ほぉ作者の高橋康也さんはシェイクスピア研究者なんだね。河合先生の舅ですって!解説(前口上)に書いてある「自分は自分だという自信に揺さぶりを掛けてくる原型的ドラマとしての双子問題」「近代的自我の分裂の苦悩」とかめっちゃ面白い。